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俳優の仲代達矢さんの訃報を受け、狂言師の野村萬斎(59)が11日、Xで追悼した。
萬斎は「仲代達矢さんのご逝去に際しまして」と題したコメントを投稿。「仲代さんとは約40年前、主演された黒澤明監督作品『乱』に、私が映画初出演させていただいたことで知己を得ました。能面を意識されたメイクに、毎回3時間を費やされて撮影に臨まれていたことを思い出します」と振り返った。
また「本年6月22日、仲代さんがライフワークとされていた能登演劇堂での『肝っ玉おっ母と子供たち』の千秋楽公演を拝見し、楽屋で久しぶりにご挨拶をさせていただきました。長いせりふを物ともせず、重厚で包容力もあり、かつ軽妙洒脱(しゃだつ)な愛嬌(あいきょう)ある演技を目の当たりにし、その奇跡のような舞台に役者としての最高位を見せていただいたと思っておりました」と仲代さんの演技を称賛し、「突然の訃報に哀心の念に堪えません」と続けた。
「伝統芸能の立場から申し上げますと、仲代さんが現代劇の旗手として舞台に立ちながら、役所広司さん、若村麻由美さんはじめ、多くの役者を育てて来られた功績は、特筆に値すると思います」と「無名塾」などで後進の育成に心血を注いだ姿勢もたたえ、「ご冥福を心よりお祈り申し上げます」と締めくくった。
※写真は資料
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