小説家・湊かなえ氏の同名小説を原作とした映画「未来」が、来年5月に全国公開されることが14日、発表された。
小説「告白」「母性」「白ゆき姫殺人事件」など、数々の話題作を世に送り出してきた湊氏が描く最新のヒューマン・ミステリー。現代社会が抱える“子どもの貧困”や家庭の崩壊といった重いテーマに真正面から向き合う。
監督は、映画「ラーゲリより愛を込めて」(22年)、「護られなかった者たちへ」(21年)など、話題作を次々に送り出してきた瀬々敬久氏が“罪と希望の物語”に新たな息を吹き込み、観る者に深い共感と問いを投げかける。
主人公・教師の篠宮真唯子を演じるのは、黒島結菜(28)。演じる真唯子は、複雑な家庭環境で育ち、教職に就いた女性。ある日、教え子の少女・佐伯章子が「20年後のわたし」から届いたという手紙を受け取り、物語が動き出す。
章子役を務めるのは、映画「渇水」(2023年)で新人賞に多数ノミネートされた若手俳優の山崎七海(17)。章子は父の死や母の恋人からの暴力、いじめなど、過酷な現実に追い詰められていく中で、友人とともに「親を殺す」という衝撃的な計画を立てる。真唯子はそんな章子を救おうと必死に手を差し伸べるが、未来からの手紙が導くのは希望か、それとも絶望か。
共演には、坂東龍汰、細田佳央太、近藤華、松坂桃李、北川景子ら実力派俳優が名を連ね、物語に深みと彩りを添える。
黒島は撮影を振り返り、「この作品は、子どもの貧困問題について描かれています。何度もつらく苦しい気持ちになりました」と吐露。「とてもハードな撮影の中、子どもたちの熱く切実な思いを感じ、私は何ができるんだろうと日々考えていました。この現実を多くの方に知ってほしい。子どもたちの未来のために。その一心でした。はやく皆さんに届いてほしい作品です」と真摯な思いを語った。
