1
歌舞伎俳優の松本幸四郎(52)、尾上松也(40)が14日、都内で行われたシネマ歌舞伎「歌舞伎NEXT 朧の森に棲む鬼」の舞台挨拶付き完成披露上映会に登壇した。
昨年、新橋演舞場で上演された公演を高性能カメラで撮影し、映画館で幸四郎版は来年1月2日から、松也版は1月23日からデジタル上映される。
シェイクスピアの名作「リチャード三世」を下敷きにした、嘘と欲望に支配される男の物語を、歌舞伎ならではの趣向を凝らした演出や音楽で表現。主人公のライとライの前に立ちはだかるサダミツを、幸四郎と松也がダブルキャストで交互に演じた。
悪役・ライについて、幸四郎は「ブレーキのない車に乗って坂道を走るような感じで、自分でも全くコントロールが効かないけど、どんどん突っ走っていく男」と紹介し、「やっていて止まらない、体が引っ張られる感じで走り抜けました」と芝居を振り返った。
一方、松也は「稽古場に入った時はワクワクと不安が入り交じっていました」と当時の心境を明かし、「物語自体がすごくよくできていて、いい意味で考えなくても、物語の中に吸い込まれてどんどん悪に染まっていく感覚がありました。やればやるほど悪の濃さが身に染みてきて、幕が開いて閉まるまであっという間でした」と稽古から終演までを思い出すように語った。
舞台挨拶のあと同作を観賞することになった観客に、幸四郎は「時間は(映画)「国宝」の2倍です」とアピールし、松也も「かなり長いです」と笑った。
広告
