12年ぶり2回目のNHK紅白歌合戦の出場を決めたロックバンド「サカナクション」のボーカル・山口一郎が14日、インスタグラムで、出場への思いを明かした。
「こんにちは。僕たち私たちサカナクションは、今年、久しぶりに紅白歌合戦に出演します」と書き出すと、「長い間、迷いながらも泳ぎ続ける僕らを見つめ、手を振り、声を届けてくれた皆様のおかげで、サカナクションは2025年も音楽の海の底を迷わず進むことができています。本当にありがとうございます」と感謝の気持ちをつづった。
山口は2022年5月から不調が続いており、医師から「燃え尽き症候群」との診断を受け、同年7月に休養を発表。同年11月に活動再開するも、昨年1月のステージではうつ病を公表した。今年8月にはインスタグラムで「忘れてた、終わりだと思ってたうつの影は大きなだ円を描き、揺り戻ってきた」などと体調についてつづっていた。
山口は「実を言えば、紅白への出演は、最後の最後まで迷っていました」とし、「病とともに歩きながら作り出した自分たちの曲が、テレビの世界でどこまで伝わるのか、その不安は、ずっと心の奥に残っていました。けれど、あの時生まれた言葉や音が、YouTubeの生配信、SNS、そして送っていただいたたくさんの手紙によって、誰かの夜に届き、自分と同じように病気や様々な理由で苦しんでいる方々の力になっているという実感を得た事で、迷いは少しずつ溶けていきました」と心境の変化も告白した。
そして「バンドが18年という月日を重ねても、5人で見る景色がまだ新しく、変わらないまま変わり続けられるという自信。その積み重ねが、出演を決める決定的な理由になりました」と出場を決めた理由について説明した。
最後に本番に向け「僕個人としては、山の尾根の上を歩くように、上がったり下がったり揺れ動いてきたここ数年の葛藤をかみ締め、支えてくれた方々一人ひとりを想像し、祈りを込めて歌いたいと思っています」と力を込めた。
なおテレビ朝日系列では、大みそかの午後5時から「ザワつく!大晦日」を放送する。
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