俳優の堺雅人(52)、井川遥(49)らが14日、都内で行われた、映画「平場の月」(土井裕泰監督)の初日舞台挨拶に登壇した。
作家・朝倉かすみ氏の同名小説を実写化。中学時代の同級生が、時を経て再会し、離れていた歳月を埋めながら心を通わせるストーリー。堺は、妻と別れて地元に戻り、印刷会社に再就職した主人公・青砥健将を、井川は青砥が中学生代に思いを寄せていた初恋の相手・須藤葉子を演じる。
上映後の舞台挨拶とあり、堺は観客の反応がかなり気になるようで、「楽しみ半分、不安半分でずっと来ておりました。本当に一人ずつ、お茶でも飲みながらゆっくり話をお伺いしたいぐらいです」と笑い、「なんか名前の付けようのない、でも、確実に心にさざ波が起こるような作品になっていると思います。素晴らしい原作小説から始まったこの映画が、皆さんの心に届いたことを、本当に心から喜んでおります」と感謝した。
井川は撮影について、「須藤の一筋縄ではいかない、一人で生きていくんだ! というところや、いじっぱりなところ、本心を見せないで生きている須藤の、青砥と過ごす時間の中での柔らかさみたいなものを、(心に)しまい込んでいるけれど、表現としてどうすればいいんだろう? と、本当に日々悩んでいました。ヒリヒリするような、でも須藤の人生自体がそうだろうなと思い、もがきながら演じていました」と振り返った。
エンドロールには、星野源が手掛けた主題歌「いきどまり」が流れる。堺は「最初聞いた時は、物語が星野源さんのこの言葉で終わるのが、とってもステキだなと思った」と語り、さらに「“行き止まり”って、“行く”と“止まる”の複合動詞なんだけど、“生き”と“留まる”もあるのかな? と思った時に、立場と意味がグッと反転して、いままで“さようなら”のものだったものが、“さようなら”じゃないと思った瞬間に、ゾゾッと来ました。ひらがなにしているタイトルは絶対に意味があるはずなので、“星野源さんは、なんて素晴らしい言葉を最後に残してくれたんだろう”と思って、ステキだなと思いました」と感嘆していた。
