七代目尾上菊五郎、襲名控える尾上左近を「新種というか珍獣」

七代目尾上菊五郎（83）が21日、都内で行われた「三代目尾上辰之助　襲名披露」記者会見に出席。自身と同じく、女形と立役の“二刀流”に挑み、来年5月の歌舞伎座「團菊祭五月大歌舞伎」で、三代目尾上辰之助を襲名する尾上左近（19）を激励した。

菊五郎は、左近の祖父で初代・辰之助さんと大親友で、「彼の祖父が早くに亡くなられまして、左近（現・松緑）の後見人をするようにと言われた」という間柄。左近の初お目見えや初舞台でも口上を述べるなど、ずっと見守ってきた。

菊五郎は「ここ2、3年メキメキと腕に力をつけて参りまして、私のみならず先輩たちが勉強熱心だと褒めております」と絶賛し、「今の研究熱心を忘れずに、祖父、父にも勝るとも劣らない立派な辰之助像を作って欲しいと思います」とエールを送った。

女形と立役、両方をやることについても「女形もやる、歌舞伎界に数少ない女形の誕生、こんなうれしいことはございません」と喜び、「私みたいにどっちもやれるようになりたいと言っておりますが、（坂東）玉三郎さんからは『女形専門になりなさい！』って言われているみたいです」と明かして笑いを誘った。

初代の面影を感じることはある？という質問には、「全然感じない」と即答で、「だから、新種ですよ。新種というか珍獣」と冗談を交え、「親にもおじいちゃんにも似ていない新種ができました」と期待を込めた。