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ジャーナリスト伊藤詩織氏が12日、自身のホームページに声明文を発表し、映画「Black Box Diaries」の日本公開バージョンで施した修正の内容や映像使用に関する自身の考えを明かした。同作は伊藤氏自身の性暴力被害をテーマにしたドキュメンタリーだが、元弁護団の弁護士らが、無許可で映像や音声を使用した問題を指摘していた。
伊藤氏は、性暴力被害にあった際のホテルの防犯カメラ映像については「CGによって制作された再構成映像」だと説明した。オリジナルの映像ではないため、ホテル側と結んだ誓約書で「裁判目的以外で映像を使用しない」とした制限には該当しないと考えているという。作品内の映像がオリジナルではないことは、エンドクレジットの中で示される。
また、伊藤氏は、捜査官の映像と音声については、オリジナル版ですでに声を加工していて、日本公開バージョンでは声と姿をさらに加工したとしている。音声を使用した理由について、捜査官は「公益通報者」にはあたらないとして、元弁護団らと見解が異なることを主張している。
一方で伊藤氏は「元弁護団の方々への感謝の気持ちを、今も変わらず持ち続けています。今後も話し合いの場を求めていきます」と表明し、「これ以上新たに傷つく人が生まれないことを心から願いつつ、事実に基づいた冷静な議論と、性暴力の被害者が安全に声をあげられる社会づくりに向けて、対話の扉を閉じずにいたいと思っています」とつづっている。
元弁護団の西廣陽子弁護士が前日の声明で「これ以上、傷つく人がでないことを願っています」と記したことに応えたものとみられる。
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