俳優の吉沢亮(31)が、「第50回報知映画賞」の主演男優賞を受賞し、15日に都内で行われた表彰式に登壇した。
今年公開された主演映画「国宝」での演技が評価された。同作は作品賞、監督賞とあわせて3冠を獲得した。
作家・吉田修一氏の同名小説を原作に、李相日監督が実写化。任侠の一門に生まれながらも、歌舞伎役者の家に引き取られ、芸の道に人生を捧げた主人公・喜久雄の50年を描いた壮大な一代記。
吉沢は受賞について、「このような栄誉ある賞をいただきまして、非常に光栄でございます。ありがとうございます」と喜んだ。今作について、「この作品に入る前は、何度か歌舞伎を見たことがあるくらいの距離感だったので、どれぐらい大変なのかは何も分からない状態で、ただただ憧れの李相日監督の作品ということだけで飛び込んだ世界だった」と回想。撮影を振り返り、「この作品のために準備期間として、1年半の稽古期間をいただきました。映画一つの役に1年半と考えると、すごく贅沢(ぜいたく)な時間だなとも思ったんですけど、やはり何百年と続く日本の伝統文化であり、実際の歌舞伎役者さんたちは子どもの頃から舞台に立って何十年も芸と向き合いながら積み上げていくものを、たった1年半で習得するというのは、“もうこれは不可能だな”と、やればやるほど気付く毎日で。でも“それでもやるしかない!”という意地のようなものだけで飛び込んだ作品でした」と苦労を明かした。
また、「歌舞伎のシーンとかは、朝から晩まで2日間にかけて一つの踊りを撮っていたりしていたので、エキストラの皆さんも大変だったと思うんですけど、毎回新鮮なリアクションをくれました」と語り、「本当にこの作品にかかわった全ての皆様のおかげで、僕はあの瞬間だけ歌舞伎役者になれたかなという気がしますし、喜久雄として生きることが出来ました。この賞も、皆さまとともにいただけた賞だと思っております」と感謝した。
