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「秋冬」のヒットで知られる歌手の原大輔(はら・だいすけ、本名・高梨雅樹)さんが22日、神奈川県内の病院で死去した。71歳だった。
今年デビュー50周年を迎えた「優しさの伝道師」が、静かに息を引き取った。関係者によると、原さんは数年前から病気療養中だったという。最近は復帰に向けてボイストレーニングなどをしていたが、病状が急変して帰らぬ人となった。葬儀は近親者で営まれ、後日、お別れの会を計画しているという。
原さんは1954年生まれ、千葉県出身。75年にフォークデュオ「レイラ」として「サマーエンジェル」でデビューし、第5回東京音楽祭でシルバーカナリー賞を受賞。その後、江夏一樹、高梨雅樹と芸名を変え、高梨雅樹時代にはテレビアニメ「新竹取物語 1000年女王」の主題歌を担当した。
83年に原大輔の芸名で「秋冬」を発売。70万枚のヒットとなり、有線大賞新人賞を受賞した。以降もフォークソング・演歌・歌謡曲・童謡・アニメソング・シャンソン・カンツォーネ・クラシックなど幅広く活躍した。2021年5月にテイチクからリリースした楽曲「琥珀色の恋」が最後のシングルとなった。
また、少年期を父の経営する養護施設で過ごしていたこともあり、福祉活動にも従事。北海道・札幌を起点に、福祉関係のイベントやチャリティーコンサートに精力的に参加した。01年には一連の福祉活動に対し、札幌市長から表彰も。慈愛に満ちた生涯だった。
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