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2026年3月20日 13:46

望月歩 映画のオーディションで1万人の中から選ばれた33人に!「最初は『嵐』になりたかったんです」

望月歩 映画のオーディションで1万人の中から選ばれた33人に!「最初は『嵐』になりたかったんです」
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2015年、映画「ソロモンの偽証 前篇・事件/後篇・裁判」(成島出監督)で柏木卓也役に抜擢され、注目された望月歩さん。2019年、映画「五億円のじんせい」(文晟豪監督)で映画初主演を果たし、「3年A組−今から皆さんは、人質です−」(日本テレビ系)、連続テレビ小説「エール」(NHK)、「マイダイアリー」(テレビ朝日系)、「恋は闇」(日本テレビ系)などに出演。5月15日(金)に主演映画「Erica-エリカ-」(宮岡太郎監督)が公開される望月歩さんにインタビュー。(この記事は全3回の前編)

■12歳の時に上京して俳優に

長崎県佐世保市で生まれ育った望月さんは、12歳の時に上京したという。

「小学校の高学年ぐらいの頃から役者になろうと思ったんですけど、最初は、低学年の頃に『嵐』になりたかったんです。アイドルに…じゃなくて、『嵐になりたい』と思ってダンスとかをやっていたんですけど、その中で、今の演技の師匠に会って。それで、気づいたら役者1本で…ということに。

なので、最初は役者になりたいという思いが特にあったわけではなく、『嵐』になりたかった。きっかけの一つとして、お芝居に触れる機会があったみたいな形ですね」

2014年、「埋もれる」(WOWOW)で俳優デビュー。この作品は、不気味なごみ屋敷を取り巻く人間の深部に迫るミステリー。

自社の産地偽装を内部告発したことで会社を去ることになり、故郷の市役所で働くことになった北見透(桐谷健太)は、問題視されていた"ゴミ屋敷"に住む老女・熊沢加代子(緑魔子)のもとへ向かう。そしてその隣の家に住んでいる、かつての初恋相手・浅尾葉子(国仲涼子)と再会。葉子は13歳の息子・優人(望月歩)を持つシングルマザーだった。交流を重ねるうちにお互い惹(ひ)かれ合うが、実は…という展開。

「オーディションを受けた時とかは、謎の圧倒的な自信があるんですよ。『受かっただろう』って毎回思っていて。もちろん落ちることもありますけど。

だから、『埋もれる』のオーディションに受かった時も特別驚かなくて、『受かった!嬉(うれ)しい。ヨシヨシ頑張ろう!』みたいな感じでした(笑)」

――デビュー作から難しい役でしたね

「はい。父親からDVを受けていて、多分母親とともに父親を殺害して埋めたんだろうみたいな役でした。オーディションの時も結構重要なシーンをやっていた記憶があるので、決まったと聞いた時は、こういう役なんだと思ったというよりは、考えていたものの答え合わせができた感じがすごく強かったです。

多分父親を殺しているんだろうなというのは考えていたんですけど、それは多分こうやって描かれるんじゃないかなとか、そういう思いの方が強かった記憶があります」

――撮影はスムーズにいきました?

「はい、わりとスムーズだったと思います。雨降らし(映画やドラマで人工的に雨を降らせ雨のシーンを作ること)とか、初めてやることがすごく多かったので、あたふたしたという感じはありましたけど」

――テレビで放送されたのをご覧になった時はいかがでした?

「気持ち悪いという思いが一番強かったです(笑)。テレビで初めて自分の声を聞いた時は、普段知っている自分の声と違うと思って自分ではすごい気持ち悪くて違和感がありました。『思っていたよりこう見えたな』とか、『思っていたより伝わってないのかもしれないな』というのは感じることが多いのですが、この時も感じていた気がします」

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■長期間のオーディションで仲間が次々と…

「埋もれる」の翌年、映画「ソロモンの偽証 前篇・事件/後篇・裁判」に出演することに。この作品は、ひとりの男子生徒の死がきっかけで行われることになった、前代未聞となる子どもによる子どもだけの校内裁判を通して、事態の真相に迫っていく様を描いたもの。

クリスマスイブに、城東第三中学校男子生徒・柏木卓也(望月歩)が学校の屋上から転落して死亡した。告発状によって、クラスの問題児・大出俊次(清水尋也)に殺害の嫌疑がかけられる。

混沌としていく事態に遺体の第一発見者でクラス委員をつとめていた藤野涼子(藤野涼子)は、他校の生徒で柏木の友人である神原和彦(板垣瑞生)の協力を得て、真実を自分たちの手で探るため学校内裁判の開廷を決意する…。

「『埋もれる』の次が『ソロモン(の偽証)』でした。オーディションを受けることは事務所から聞いたのですが、やっぱり関わる期間が長かったから、嬉しさは他より大きかった気がします。

それこそ『埋もれる』よりもっと大掛かりな1万人規模のオーディションでした。オーディションって、こんな形もあるんだというぐらいずっと通っていて、みんなクラスメイトみたいな感じになっていました。

ずっとそうやっているから、ある意味作品作りをするというより、仲間の作り方を覚えるみたいなのも多分兼ねていたんじゃないかなって。そう思うぐらい、わざと毎日集めていたので、仲良くなった子がいなくなるのはきつかったですね。

でも、落ちた子とは今でも連絡を取っています。今でも仲が良かったり、他の作品で合流できて、『あの時こうだったよね』って言い合うことができる仲間をいっぱい作れたのはありがたい時間だったなって思います」

――成島監督は厳しいことで知られていますが、いかがでした?

「よく聞いていたんですよ、厳しいって。多分僕らが子どもだったからというのもあったと思いますが、もちろん厳しい部分もありましたけど、たまに会う親戚のおっちゃんぐらいの怖さみたいな感じでした(笑)。

どう接していいかわからないような厳しい監督という感じではなく、仲間として扱ってくださっていたというのもあるとは思うんですけど」

――柏木くんの役にはすぐに決まったのですか?

「すぐにではなく途中でという感じでした。まず、富田望生が最初に決まって、その時に『うわーっ、決まったやつが出てきた』みたいな。みんなの緊張感がぐっと上がるというか、それから1カ月経たないぐらいで、それぞれちょっとずつ決まっていくみたいな感じだったと思います」

――柏木くんの役に決まった時は、いかがでした?

「もちろん原作は読んでいたんですけど、いろんな役でお芝居の勉強をしようみたいなこともやっていたので、柏木くんだと言われた時に『誰だっけ?死んだ子だ!』って。何か思っていたものと違うという違和感はありました」

――柏木くん役は最適だと思いました。

「ありがとうございます。嬉しいです」

――一見善人そうに見えて、実は触れて欲しくないところにグサッと突っ込んでくる。

ある意味モンスターですよね

「本当にそうですよね。大変でした。柏木はいじめられたストレスを間違った形で友人に発散してしまうような男の子だったので、個人的には共感できない部分が多かったですね。僕的には、友人のために力を尽くす神原くんのような人でありたいと思っています」

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■演じる人物の年表や性格、特徴などをノートに書いて

柏木卓也役を演じるにあたり、成島監督から手取り足取り指導され、役作りのノートを作るようになったという。

「監督に『ノートにその人物の年表や性格、特徴などを書くのがいい』とアドバイスをいただいたので、柏木の年表を作成しました。役作りのノート作りは今も続けています」

――撮影期間はどのくらいだったのですか

「2カ月くらいだったかな?一番長かった体育館の撮影では、すでに死んでいる役だったので、僕は撮影シーンはなかったのですが、体育館にはずっと行っていました」

――デビューされて割とすぐにソロモンの経験というのは大きいですよね

「本当にそう思います。いろんなことを学ばせていただきましたし、オーディションとかに行っても、『ソロモンのやつだ』みたいな感じで見られていたのはすごく感じた記憶があります。初めての映画でインパクトのある役に出会うことができたのは、ありがたいなって思いました」

2015年、「マザー・ゲーム〜彼女たちの階級〜」(TBS系)に出演。この作品は、名門幼稚園を舞台に貧乏シングルマザーとセレブママとの闘いと友情を描いたもの。

シングルマザーの蒲原希子(木村文乃)は、ママカーストの最上位に君臨する小田島毬絵(檀れい)に引きこもりの長男・彬(望月歩)がいることを知ってしまったことで、毬絵との関係がこじれてしまう。そしてそれぞれの家庭が抱える問題が明らかになっていく…という展開。

望月さんは、キーマンとなる引きこもりの長男・彬役。小学生の頃、勉学で1番を目指すも少しずつ挫折を重ね続ける中、弟が生まれたことをきっかけに重圧に耐えられず感情が崩壊してしまった長男の複雑に揺れる心情を繊細かつ大胆に体現。

――ソロモンの柏木くん役のインパクトがものすごく強かったこともあり、難役が結構続きましたね

「はい。出演させていただいてとてもうれしかったんですけど、正直なところ、引きこもりやいじめられっ子などの役が続くなあって(笑)。彬は、小学校4年生頃から引きこもりを始めたと言われたので、そういうことを踏まえて(役作りの)ノートを作っていきました」

――撮影現場はいかがでした?

「追い込まなきゃいけないよなという感覚がすごくありました。今は、なんかのほほんって普通に現場にいることが多いですけど、あの当時はまだそんな余裕もなかったし。マザー・ゲームの時は、ずっと自分の部屋にこもっているみたいな感じでした。

引きこもりの役でしたし、その感覚を味わおうと思って、ほとんどずっと現場にいました。

休憩時間もお昼もご飯を食べ終わったらすぐ部屋に行くみたいな感じで撮影をしていた記憶があります。お隣さんの名前はこれで…とか、引きこもりになる前はどういう生活だったのかとか、結構細かく年表を作って、自分の中に落としこんでいった感じです」

――母親役の檀れいさんを包丁で…というシーンもありましたね

「すごく優しく気遣ってくださって、撮影に参加したばかりのころ、僕が廊下で一人で演技について考えていたら優しく声を掛けてくださったんです。その時にお話をさせていただいて、気持ちがすごく和らいだのを覚えています。そんな檀さんに散々反抗して刃物まで…本当に申し訳ないなあって思いながらやっていました(笑)」

――ノート作りはずっと続けているそうですね

「はい。できる限り続けるようにしています。あの時はすごく細かくまんべんなく決めていっていました。それは今、この役をやる上で、ここは決めていた方が楽だろうなというところから順番に決めるようにしています。人には絶対に見せないですけど(笑)」

心に問題を抱えた少年の複雑に揺れる心情を繊細に体現する演技力に定評がある望月さん。コメディセンスを発揮する役や時代劇など幅広い役柄を演じることに。2016年には映画と舞台を同時期に公開&上演した「真田十勇士」(堤幸彦監督)で真田幸村の息子・大助役。2019年には「五億円のじんせい」で映画初主演を果たした。次回は撮影エピソードなども紹介。(津島令子)

※望月歩(もちづき・あゆむ)プロフィル

2000年9月28日生まれ。長崎県出身。2014年、「埋もれる」で俳優デビュー。2015年、映画「ソロモンの偽証 前篇・事件/後篇・裁判」の柏木卓也役で話題に。「マザー・ゲーム〜彼女たちの階級〜」(TBS系)、映画「真田十勇士」(堤幸彦監督)、連続テレビ小説「虎に翼」(NHK)、大河ドラマ「麒麟がくる」(NHK)、「量産型リコ−プラモ女子の人生組み立て記−」(テレビ東京系)、「十角館の殺人」(Hulu)などに出演。映画「五億円のじんせい」、映画「向こうの家」(西川達郎監督)、「痛ぶる恋の、ようなもの」(テレビ東京系)など主演作も多数。5月15日(金)に主演映画「Erica-エリカ-」の公開が控えている。

ヘアメイク:光岡真理奈

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