「ねじ式」や「無能の人」などで知られる、漫画家のつげ義春(つげ・よしはる)さんが今月3日、誤嚥(ごえん)性肺炎のため、都内の病院で死去した。88歳だった。27日、出版社の筑摩書房を通じて遺族が発表した。葬儀は今月9日、親族のみで執り行われたという。
筑摩書房はこの日「漫画家のつげ義春さんが2026年3月3日、誤嚥性肺炎のため逝去されました。88歳でした。ご遺族からのご連絡を受けここにお知らせいたします。筑摩書房では、マンガの歴史を変えた名作やエッセーを集めた『つげ義春コレクション』等を刊行させていただきました。謹んでお悔やみ申し上げます」と伝えた。
さらに、遺族からのコメントも発表した。以下全文。
父、つげ義春は、昨年9月頃より体調を崩しておりましたが、3月3日、東京都内の病院にて誤嚥性肺炎のため、88歳で永眠いたしました。なお、葬儀は3月9日に親族のみで執り行いました。
公の場に出ることを好まず、静かに暮らしていた父ではありましたが、家では毎日家族と食卓を囲む、家族思いの人でもありました。
また、シュールな作品からリアリズム作品、夢や旅を題材にしたものまで、幅広いジャンルを描き分けることのできる、稀有な漫画家であったと思います。
これまで父の作品を大切にしてくださった皆さまに、心より感謝申し上げます。そしてこれからも父の作品を読み続けていただけましたら、父にとりましてこの上ない供養となるものと存じます。
なお、誠に勝手ながら、遺族の心情をお汲み取りいただき、ご取材等はご遠慮くださいますようお願い申し上げます。
つげさんの主な作品には、「沼」「ねじ式」「李さん一家」「紅い花」「ゲンセンカン主人」「リアリズムの宿」などがある。著書も「つげ義春日記」「つげ義春とぼく」「新版 貧困旅行記」「無能の人」など多数。
2017年、「つげ義春-夢と旅の世界」ほか一連の作品で、第46回日本漫画家協会賞大賞を受賞。24年には旭日中綬章を受章した。
※写真は「つげ義春―夢と旅の世界―」(新潮社刊)