俳優の成河(ソンハ、45)、演出家の藤田俊太郎氏が17日、東京芸術劇場で舞台「ナルキッソスの怒り」(同所で18日から30日)の囲み取材を行った。
今作は、セルヒオ・ブランコ氏の同名書籍が原作のオートフィクションミステリー。2015年の初演以来、南米をはじめ世界各国で上演され、2020年のロンドン公演は「オフ・ウエスト・エンド・シアター・アワード」の2021年度最優秀新作賞を受賞した。セルヒオ自身が滞在したスロベニアの首都・リュブリャナのホテルでの体験を基にした物語で、成河がひとり芝居を繰り広げる。
原作を読んだ感想を聞かれると、成河は「非常に特殊な様式で書かれていた戯曲で、そのまま翻訳して日本で上演するのは、ほぼ不可能な状態だったので、どうすれば上演できる形になるのか、試行錯誤しながら…」と当時を振り返り、「僕本人がきちっと言葉に関わる創作ができないと上演できない様式だったので、上演するために準備して今に至るって感じです」と苦労を明かした。
藤田氏は「鮮烈で非常に大きな物語」と原作を評価し、「読んだ時にいろんな場面や思いを巡らすことができました。成河さんに出会い、またさらにその創造力が膨らみ、稽古でさらに膨らみ、今日に至ります」とこれまでを思い出すように語った。
オファーを受けた時について、成河は「(こういう話があるけど)どう思いますか?みたいなところからスタートして、無理じゃないですか?って言ったのが1年前ぐらい」と話し、「こういうものは、日本人の作家が必要なんですけど、それは膨大な時間がかかりますし、誰を選ぶかでも変わってしまう。僕と藤田さんと(翻訳家を担当した)仮屋(浩子)さんの3人で、作家業をやるってなってスタートできた」と、自分たちが台本制作に関わったことで上演できたことを明かした。