2015年、小学校4年生の時に「第4回ニコ☆プチモデルオーディション」でグランプリを受賞し、「ニコ☆プチ」(新潮社)専属モデルとしてデビューを果たした林芽亜里さん。現在「non-no」(集英社)専属モデルとして活躍、2024年、「先生さようなら」(日本テレビ系)のヒロイン役で俳優としても活動をスタート。「初めましてこんにちは、離婚してください」(MBS)、「推しの殺人」(日本テレビ系)などに出演。5月15日(金)に映画デビュー作「Erica -エリカ-」(宮岡太郎監督)が公開される林芽亜里さんにインタビュー。(この記事は全2回の前編)
■最終オーディションは家族旅行で東京に
石川県で生まれ育った林さんは、小学校4年生の時に「第4回ニコ☆プチモデルオーディション」の記事を見て、「ニコ☆プチモデルになりたい」と母親に伝え、自ら履歴書を書いて送ったという。
「それまで雑誌というか、ファッションにあまり興味がある方ではなくて、お母さんが選んで着せてくれるみたいな感じだったんです。でも『ニコ☆プチ』を見て、『モデルさんもお洋服も可愛い!』となり、私もこういう風になれたらという思いで家族と相談し、書類を出しました」
――まだ10歳だったのにしっかりしていますよね
「でも、そんなに重大な出来事だとは感じてなくて、自分の中では習い事みたいな感覚だったと思います。その当時、お仕事はしてなかったですけど、地元の育成事務所みたいなところに入って演技レッスンとか、ウォーキングレッスンなどは、ちょっとやったりしていたので」
――グランプリになる自信はありました?
「全然なかったと思います。応募してみたはいいものの、面接会場に行った時にキラキラ輝いている方たちが周りにたくさんいたので、『自分はここにいていいのか?』って。
書類審査が通って、カメラテストに行って。面接は緊張していたことしか覚えていないですが、カメラテストで着たお洋服は覚えています(笑)」
――すごいですよね。最終オーディションは東京に来て?
「そうです。東京に来ました。その時はなかなか家族で東京に来ることがなかったんです。でも、旅行が好きな家族だったので、オーディションに合わせて家族みんなで東京に出てきて…という感じで(笑)。旅行もしながらオーディションみたいな感じになっていました。
それで、いつの間にか、ありがたいことにグランプリをいただいて初撮影を迎えて。何か目まぐるしくて、いつの間にかそこにいたという感じでした」
グランプリを受賞した林さんは、2016年、「ニコ☆プチ」専属モデルとしてデビューを果たし、季刊誌の「ニコ☆プチ」では表紙に登場した回数が8回という「絶対的エース」として人気を博す
――仕事の度に上京するという感じだったのですか?
「はい、仕事の度に東京に出て来ていました。私がお仕事を始めたタイミングで、ちょうど北陸新幹線が開通してくれたので、それはすごくタイミングが良かったなっていうのはありました。
毎週金曜日に学校が終わると、夜東京に来て、土日に撮影していました。でも、最初の頃は撮影する回数が多くはなかったので、2カ月に1、2回東京に行くかなぐらいのペースでした」
――その時はお母さまが一緒に?
「そうです。『ニコ☆プチ』にいた時は母と一緒に来ていたんですけど、中学生ぐらいになったタイミングで、ひとりで新幹線に乗って来るようになったと思います」
林さんは、動画配信番組などの選抜メンバー入りを果たすなど、中心メンバーの一人として活躍。
――「ニコ☆プチ」では表紙に登場回数がトップになるとか、色々記録を塗り替えました
「ありがたいことに。自分がそういう立場にいるんだということが不思議でした。『表紙に選ばれました』とか、『ピン企画やります』ということになって、自分でも『私は、この雑誌にちゃんといるんだ』ということを実感しました。
こうやって色々任せていただいて雑誌の顔みたいな感じで、本屋さんに並ぶので、ちゃんと自信を持ってやらなければいけないと思って、常日頃の体調管理とか体型管理、ポージング、表情など、当時はすごく勉強していました」
――とてもしっかりしたお子さんだったのですね
「全然(笑)。でも、周りが大人の方たちばかりで、そういう方々に囲まれてやっていたので、最初は人見知りだったんですけど、それもだんだん解消していった感じです」
■コロナ禍を乗り越え“絶対的なエース”のトップモデルとして活躍
2019年、「ニコ☆プチ」専属モデルを卒業し、「nicola」(新潮社)の専属モデルに。個人連載を持つなどトップモデルとして活躍。
――「nicola」の専属モデルになった頃、コロナ禍ですか
「そうです。『nicola』のモデルになってからコロナが始まって。自宅でセルフでの撮影が多くなりました。『nicola』のYouTubeもセルフで撮ったりしていたので、少しYouTuberみたいな気分にもなっていました。
(コロナが)長く続いていたので、『nicola』は年に一度の東京開放日というステージがあったんですけど、それもできなかったですし、海外での撮影も決まっていたけど行けなくなって…。それは悔しい思いとか寂しい思いはしました」
――東京に引っ越されたのはいつ頃ですか
「高校1年生の時に上京しました。コロナ禍で不要不急の県外への移動はできないということになって、住んでいる場所が理由で撮影に行けないのはなんだか悔しかったし、『nicola』の撮影がすごく大好きだったので、悩みましたけど決断して東京に引っ越して来ました」
――2022年に「nicola」を卒業されて「non-no」の専属モデルに
「そうなんです。『nicola』モデルの時も大人の雑誌を参考にすることが結構多かったので、『non-no』も昔からよく知っていた雑誌でした。
それこそ、『non-no』の専属モデルさんはそうそうたる方々ばかりなので『いつか入れたらいいな』とふわ〜っと思いながら過ごしていましたが、『nicola』の卒業が近づいて来たタイミングで改めて「nicola」を卒業したらどうしたいのかな?』と考えた時に、『やっぱりモデルのお仕事がすごく好きだし続けたい!自分も「non-no」モデルの一員になりたい!』と強く思い、『non-no』の顔見せに行きました」
――「non-no」では、最年少で登場という記録を作りましたね
「年齢がまだ下だったのに『non-no』の仲間に迎えてくださった編集部の方々にはすごく感謝しています。最年少で入ったので、自分なりにこれからいろんな変化ができるんじゃないかとか、したいなという思いで今も頑張って撮影しています」
■演技は苦手だと思っていたが、いきなりヒロイン役に
2024年、「先生さようなら」(日本テレビ系)で俳優デビュー。このドラマは、高校の美術教師・田邑拓郎(渡辺翔太)をめぐる現在と過去のラブストーリーが交錯していく様を描いたもの。
林さん演じる高校3年生の城嶋弥生は、恋愛を知らない女の子。田邑先生に勧められて美術部に入ったことで、人見知りも克服。田邑に淡い恋心を抱くが、田邑のスケッチブックに1人の女性が描かれているのを見つける。その女性は田邑の高校時代の担任で国語教師・内藤由美子(北香那)で、田邑がかつて内藤に恋をしていたことを知る…という展開。
「石川県にいる頃から事務所から『演技はどう?』みたいな感じで言われてはいたんですけど、頑なに『いやです』と拒否していました(笑)。
上京してきてからも、『演技はやりたくないな、モデルだけでやりたいな』って思っていたんですけど、せっかく東京に来たし、自分がやりたくないことも、やりたくないで済まされる世界ではないなというのも大人になるにつれて感じてから、ちょっと演技にもチャレンジはしてみようかなというより、しなきゃいけないのかなって思うようになりました」
――演技のレッスンを受けるようになってオーディションにも行かれるように?
「はい。いろいろなオーディションに行くようになったのですが、なかなか合格しないし、オーディションでも自分がやりたいと思っていたこともできないし…って、結構悩んでいた時期はありました。
でも、あるオーディションで、初めて2次審査まで進んで、その役を深掘りするというか。それまではオーディションは、台本を覚えていくものだと思っていたんですけど、初めてその役のことを考えるノートを作ったんです。
結果的には合格しなかったんですけど、私の中で一つの大きな分岐点というか、きっかけだったなというのはあります」
――堂々のヒロインぶりだったので、「先生さようなら」が初めてのドラマとは思わなかったです。
「本当ですか。全然そんなことないんですけど。でも、本当に初めてのことばかりで何もわ
からなかったので、新たな世界に飛び込む気持ちでたくさん学ぼうという思いで撮影現場に行っていました。
周りの方々がすごくお芝居が達者な方たちばかりだったので、比べることではないんですけど無駄に比べてしまってちょっと落ち込んだり、撮影が自分のせいで押しちゃったとか思って…。その最初のドラマは、結構帰ってから泣いたりすることが多かったです」
――いきなりの大役でしたものね
「そうですね。何か身の丈に合ってないことを自分がしているという気持ちもあったんです。でも、そう思っていたらダメだな、受けさせていただいたことは全力でやろうと思ったので、自分ができる精一杯をやろう、監督ともたくさんお話しようと思ってやっていました」
――あのドラマもオーディションだったのですか?
「いいえ、オーディションではなかったです。その前にCMをやっていて、それを見て声をかけてくださったらしくて。お仕事ってこういう風に繋(つな)がっていくこともあるんだなって知ったきっかけにもなりました」
――キラキラしていてステキでしたね。特に印象に残っていることはありますか?
「本当に毎日大充実していたなっていうのはあるんですけど、大変だったことも含め、やっぱり学園ものだったので、同い年くらいの子たちがたくさんいて色々相談し合ったり、笑い合ったりして楽しかったです。
たまに控え室で盛り上がりすぎて『ちょっと静かにしなさい』って言われたこともあったりするぐらい仲良くなれたので、すごく楽しかったなって思います(笑)。
結構明るい女の子の役だったんですけど、先生と対峙(たいじ)するシーンだったり、悩んだりもがいたりするシーンもあったので、その感情の作り方というのは難しかったですね。何度もテイクを重ねてしまったことはすごく記憶に残っています」
――最初はなかなか周りに馴染めなかった弥生ちゃんが先生と会って絵を描くことでみんなと打ち解けていきます
「そうですね。夢中になれるものを見つけた弥生ちゃんと、自分がこの『先生さようなら』という撮影現場に入って、私も夢中になれるものを実際に経験しているので、本当に役とリンクする部分はあったなって思います」
■クッションを相手にキスの練習?
2024年に俳優デビューして以降、立て続けに連続ドラマに出演。同年、「初めましてこんにちは、離婚してください」(MBS)に主演。このドラマは、10年越しに会った“初対面の夫”への離婚宣言から始まるという驚きのストーリー。
京都で1000年以上の歴史がある旧家の令嬢・結城莉央(林芽亜里)は、16歳という若さで会ったこともないIT界のイケメン社長・高嶺正智(犬飼貴丈)と政略結婚をさせられる。それから10年後、莉央は初対面の高嶺に離婚を申し出るが、初めて見た妻に心を奪われた高嶺は「離婚しない!」と宣言。高嶺のストレートな思いに莉央も次第に惹かれるように…というストーリー。
「撮影が始まる前に、オーディションというか、顔見せみたいな形で自分の演技を見てもらったのですが、その時も合格するとか掴んだ実感が全くなくて、『これはダメだったな』って思っていたところ、『お願いします』ということになったので、すごく嬉(うれ)しかったです。
実年齢よりずっと上の26歳の役だったので、大人っぽく見せなきゃいけないけど、役としては世間知らずでお嬢様な莉央ちゃんと自分とのギャップ。
当時18歳の私は、怒る=大声でぶつけるみたいな感じだったんですけど、26歳の莉央ちゃんはぶつけながらも冷静にというか。そんな年齢のギャップに悩みながらも、メリハリや新しい表現、感情をこの作品ではたくさん見つけました」
――撮影はスムーズにいきました?
「この現場は最初にリハーサルを全部やってから撮影に入るという形だったので、そのリハーサル中、本当に無我夢中でした。
監督が、『納得せずに分からないままやるより、聞いてちゃんと理解して演じる方が絶対いいから恥ずかしいなんて思わずに!』と言ってくださったのでたくさん監督に質問していました。
いっぱい台本にメモを書いて丁寧に作り上げて撮影にも入ったんですけど、最初に撮った
シーンが高嶺さんに離婚届を出すシーンで、監督に『まだ固い』と言われてしまって。
『ダメだ、どうしよう、どうしよう』と焦りもすごく感じました。ですが、監督やスタッフ、キャストの皆さんのおかげで最後まで走りきることができました」
――離婚届を持って来るシーンの着物姿も凜としてステキでした
「ありがとうございます。ずっとお世話になっていた『ジョイフル恵利』さんの振袖をドラマで着ることができて、ちょっとした恩返しじゃないですけど、すごく嬉しかったです」
林さんは、このドラマでファーストキスを経験。撮影前にマネジャーさんが『実生活ではもちろん、撮影でも初めてのキスなのでよろしくお願いします』とお願いしていたそうですね
「当時担当してくれていたマネジャーさんですね。でも本当に初めてだったので、恥ずかしいことを言うと、『キスする時って、いつのタイミングで息をするんだろう?』とか、『いつ目を閉じるんだろう?』というレベルだったんです(笑)。
キスもクッションを相手に練習したりはしていたんですけど、やっぱりリアルになると、本当にそれはお任せしたというか。流れに身を任せて高嶺さんと莉央としてすごくステキなシーンが出来上がって。(キスシーンの)撮影後に監督も(撮影)ベースから私たちがいる現場に来て下さって、『すごく良かったです』と言っていただいたので安心しました」
――ファーストキスが撮影でとは思っていなかったでしょうね
「そうですね。自分が初めてキスするのはいつなのか、別に考えていたわけではないですけど、それがすごくステキな作品の中で初めてを経験することができました。私の中でもとても大切な作品です」
俳優業でも快進撃を続けている林さんは、「熱愛プリンス」、「ワタシってサバサバしてるから2」(NHK)、「推しの殺人」など連続ドラマ出演が続く。次回は撮影エピソード、映画初出演にしてヒロインに体当たりでチャレンジした「Erica -エリカ-」も紹介。(津島令子)
※林芽亜里(はやし・めあり)プロフィル
2005年11月5日生まれ。石川県出身。2016年、11歳で「ニコ☆プチ」専属モデルとしてデビュー。「nicola」専属モデルを卒業後、「non-no」専属モデルに。ファッションショー、CMに多数出演。2024年、「先生さようなら」で俳優デビューを果たし、同年、「初めましてこんにちは、離婚してください」でドラマ初主演を果たす。「時光代理人」(フジテレビ系)、「刑事、ふりだしに戻る」(テレビ東京系)に出演。ヒロインを務めた初出演映画「Erica -エリカ-」が5月15日(金)に公開される。
ヘアメイク:AYA(TRIVAL)
スタイリスト:小西沙良




