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2026年5月12日 15:39

勝矢 40歳ぐらいまではギリギリの生活で家賃を滞納「大家さんがいい人で…」

勝矢 40歳ぐらいまではギリギリの生活で家賃を滞納「大家さんがいい人で…」
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2011年、映画「あしたのジョー」(曽利文彦監督)のマンモス西役で注目され、映画「テルマエ・ロマエ」(武内英樹監督)、オリジナルビデオ「日本統一」シリーズ、「HERO」(フジテレビ系)第2シリーズなど多くの作品に出演している勝矢さん。コワモテの役からコミカルな役どころまで幅広く演じて話題に。6月26日(金)に映画「罪の棘」(植田尚監督)の公開が控えている。(この記事は全3回の中編。前編は記事下のリンクからご覧になれます)

■「テルマエ・ロマエ」はメイクなしで…

「あしたのジョー」の翌年には、映画「テルマエ・ロマエ」(武内英樹監督)に出演。この作品は、古代ローマ帝国の浴場設計師ルシウス(阿部寛)が現代日本にタイムスリップし、そこで出会った漫画家志望の真実(上戸彩)ら「平たい顔族(=日本人)」との交流を通して日本の風呂文化を学んでいく姿を描いたもの。勝矢さんは、ルシウスの友人・マルクス役を演じた。

「『あしたのジョー』に出てもこんなに変わらないものなのかって、マネジャーともしゃべっていたんですよ。でも、リキプロ(リキプロジェクト)のマネジャーって、制作もやっているからマネジャーの仕事だけじゃないんで大変なんですよ。

それで、どうしようかなって思っていたら『テルマエ・ロマエ』に出ることが決まったりして。それは、(竹内)力さんが『テルマエ・ロマエ』に出ることが決まり、『外国人に見えるしマルクス役で勝矢くんどうですか』みたいな感じで言ってくれたんですよね」

――主役の阿部寛さんをはじめ、皆さん彫りの深い俳優さんたちが揃っていましたね

「そうです。みんな濃い方たちで(笑)。でも、あの作品で僕はメイクしてなかったんですよ」

――勝矢さんが演じたマルクスは友人なのにルシウスの奥さんと関係を持ってしまいます

「そう、あれは原作にはないんですけど、古代ローマはそういうのもちょっとオープンな感じだからあるかもしれないよね、みたいな感じで(笑)」

――2014年に公開された続編「テルマエ・ロマエII」(武内英樹監督)でルシウスにそのことを言われていましたね

「そうそう、『お前に寝取られた』って(笑)。でも、友だちのままでルシウスのそばにいるんですよね」

――撮影はいかがでした?

「めちゃくちゃ楽しかったです。これは世界に通用する作品だなって思いました。絶対に当たるってわかったんですよ、やっている時に。それで本当に当たって(笑)。良かったなあって思いました。

『あしたのジョー』できっかけをつかんでいますけど、やっぱり『テルマエ・ロマエ』で認知してもらったと思うので。『テルマエ・ロマエ』は、子どもも見るから大人が連れてくるじゃないですか。だから大人も見て笑って楽しんでくれて」

――ご自身でご覧になっていかがでした?

「『あしたのジョー』が決まった時もそうですけど、『テルマエ・ロマエ』もスクリーンで見て、『うわーっ、俺がスクリーンに出ているんだ』みたいな感じでした。でも、そんなには興奮しないんですよ。普通に作品として本当に面白いって思いました。

出来上がりを見て、『そうか!タイムスリップする時は、こんな風に洗濯機みたいなものでグルグル回っているんだ』とか思うけど、出ている自分のことを見て、『俺、この中にいるんだ!』みたいな、そういう感情は、あまりないんですよね。それは、元々俳優を目指していなかったからかもしれません」

――コワモテの役からコミカルな役までとてもバランスよくやられていますが、どちらがやりやすいですか。

「自分としては、コメディ、コミカルな役のほうですかね。ただ、コメディってなった時に、そういうギャグみたいなのができているのかどうかわからないから、そこまで行くとコメディはちょっとわからないかな。

やっていることが面白いよねとか、コメディっぽいよねという、明るくコメディなタッチでやるのは全然何とも思わないですけど」

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■“任侠女子”という言葉も生まれた「日本統一」シリーズ

2013年、オリジナルビデオ「日本統一」シリーズがスタート。6月12日(金)に「劇場版 山崎一門II〜日本統一〜」(辻裕之監督)が公開。7月1日(水)には75作目がリリースされる。この作品は、不良少年・氷室蓮司(本宮泰風)と田村悠人(山口祥行)が日本極道界のトップを目指して奮闘する姿を描いたもの。

勝矢さんは、氷室と田村の横浜時代からの仲間で、氷室の代わりに刑務所で12年間過ごし、出所した四代目龍征会会長・斎藤浩樹役。

「最初はこんなに長く続くと思ってなかったです。根本が怖くないので、コミカルな役より怖い役の方が苦手なんですよ。小沢仁志さんみたいな怖い顔じゃないし(笑)。

初めにリキプロジェクトに入って作品に出た時に、どうやったら怖い顔になるのか、一生懸命考えてやったことがあるって、今思い出しました。鏡の前でずっとやっていたなあって。

『日本統一』をやる時も長く続くとか、そういうことは考えてなくて、ヤマ(山口祥行)さんと(本宮)泰風さんは私生活ですごくお世話になっている先輩なので、その2人が初めてダブルで主演するんだから、これは一生やりますみたいな感覚でした。

「外伝」や連ドラの北海道編、関東編、東京編などいろいろあるので、結構な本数になりますね。今も続いているので」

――2022年に劇場公開された「劇場版 山崎一門〜日本統一〜」(辻裕之監督)では主要メンバーの皆さんと主題歌も歌っていますね

「はい。面白いなあと思って(笑)。『どこまで広がるの?』って思いました。途中から泰風さんが総合プロデューサーになっていろんなことを考え出すようになってからガラッと変わったので」

――勝矢さんは、本宮さん演じる氷室の罪をかぶって12年間(刑務所に)服役していたという設定ですね

「そうです。僕より後に刑務所に入った人がみんな先に出て、僕だけなかなか出てこないみたいな(笑)」

――すごい人気シリーズで女性ファンも多くて「任侠女子」という言葉も生まれましたね

「そうなんですよ、女性が結構見てくれて。ネット配信を始めたら思いのほか伸びているそうです。コロナ禍で家にいる時間が多くなったということもあるでしょうね。

Vシネマとかオリジナルビデオのヤクザものみたいな作品が並んでいたレンタルビデオ屋がなくなってきて、それはそれで悲しいなって思っていたけど、みんなが当たり前のように配信を見るみたいな状況になった時に『日本統一』っていうのがあるよってなって。

ちょっと見始めたら50本以上あるじゃんみたいになって。それでずっと見ていられるというか。気軽に見られて、気がついたら『これどうなるんだろう?』って続きが見たくなる。

エロとグロがないのがいいみたいですね。それに泰風さんとヤマさん、2人の本当に仲がいい感じがいいですよね。何か女の人は萌えるみたいで、助監督をやっていた女の子も萌えポイントだと言っていました(笑)」

――私は5年くらい前に小沢仁志さんにインタビューさせていただく時に見始めたのですが、ハマっちゃって毎回楽しみにしています

「ありがとうございます。規模はそれほど上がらず、何にも変わらないままやっていますけど、町を歩いていると『日本統一』のことでめちゃくちゃ声をかけられますからね。『テルマエ・ロマエ』とか『ゴールデンカムイ』もありますけど、『日本統一』で一番声をかけられます」

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■「HERO」のギャラで滞納していた家賃を支払い

2014年、「HERO 第2シリーズ」に警備員・小杉啓太役で出演。2015年には映画「HERO」(鈴木雅之監督)も公開された。

――作品が多くなってかなり忙しくなったのでは?

「そうですね。でも、役者で食べられるようになるのには時間がかかりました。だって、『HERO』に出ている時はまだ食えてないですから。

それこそ、『HERO』の撮影をしている時は家賃を滞納していました。アパートの横が大家さんの家だったんですけど、すごく優しい大家さんだったんです。

それで、『今「HERO」という作品に出ているんですけど、これが終わってからギャラが振り込まれるので、それまで待ってもらえないですか』って言ったんですよ。

そうしたら『わかりました。じゃあ、勝矢さんを信じて待ちます』って言ってくれて。普通はそんなの待ってくれないじゃないですか。でも無事に『HERO』のギャラで滞納していた家賃は一括で払えました」

――いい大家さんで良かったですね

「本当に。だから、その大家さんが亡くなるまではそこにいようと思って。大家さんが亡くなっちゃったので出ましたけど。俺は人に恵まれているってみんなに言われますね。

福田雄一さんの息子の福田響志に『勝矢さんって、今すぐ仕事がなくなっても、お金がなくなっても、絶対飯食えないってことないっすよね』って言われたので、『確かにそうかもね』って(笑)。それぐらい人に恵まれているという感じです(笑)。ありがたいです。周りにいるのがいい人たちなんですよね」

――『HERO』以降は比較的順調に仕事が続いて生活も安定した感じですか

「でも、ずっとギリギリでした。30歳ぐらいから40歳ぐらいまで続いていたイメージですね。40歳過ぎてからちょっと落ち着いたかな…みたいな感じです。

ちょっと出ても続いていけてなかったので、ずっとギリギリの状態で。親にも、『お前まだ金ねえのか』って言われていたので、『今、いい流れに乗っているんだよ』って言っていました。毎年ちょっとずつだけど、上がっていっているみたいな感じでしたね」

2018年、「LDH」に移籍。音楽イベントのMCの仕事などもするようになったという。

「全部ツテというか、人間関係というか、それこそ出会いですけど、本当に。リキプロに入ったのも、菅田(俊)さんに出会ったのも偶然というか。

東京に出て来て、ラーメン屋で演技の勉強を始めたことから菅田さんに出会って、菅田さんの関係で(竹内)力さんに出会って、力さんに拾ってもらったことからまたいろいろ出会いがあって、LDHに入るって話になって。よく俺はLDHっぽくないって言われますけど、LDHを盛り上げる為に現在頑張っています(笑)」

2023年には、小沢仁志さんの還暦記念映画「BAD CITY」(園村健介監督)、2024年には映画「ゴールデンカムイ」(久保茂昭監督)、「95」(テレビ東京系)、2025年、「仮面の忍者 赤影」(テレビ朝日系)など出演作が続く。次回は撮影エピソード、結婚、6月26日(金)に公開される映画「罪の棘」も紹介。(津島令子)

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