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2026年6月30日 13:50

徳重聡 「21世紀の石原裕次郎」としてグランプリ受賞!実はオーディションに大幅に遅刻して…

徳重聡 「21世紀の石原裕次郎」としてグランプリ受賞!実はオーディションに大幅に遅刻して…
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2004年、187cmの長身に精悍(せいかん)なルックスで“21世紀の石原裕次郎”として注目され、「西部警察SPECIAL」(テレビ朝日系)で俳優デビューした徳重聡さん。「弟」(テレビ朝日系)、「渡る世間は鬼ばかり」(TBS系)、映画「俺は、君のためにこそ死ににいく」(新城卓監督)、連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」(NHK)などに出演。2018年、「下町ロケット」(TBS系)の怪演も話題に。現在、映画「ライフセーバー!」(児玉宜久監督)が公開中の徳重聡さんにインタビュー。(この記事は全3回の前編)

■就職も内定し、芸能界には興味がなかった

鹿児島県で生まれ静岡県で育った徳重さんは、小学生の頃からサッカーに打ち込み、スポーツ推薦で立正大学に進学。将来はサッカー選手を目指していたが、大学3年生の時に就職活動を始め、自動車ディーラーから内定をもらっていたという。

2000年、「オロナミンC『1億人の心をつかむ男』新人発掘オーディション〜21世紀の石原裕次郎を探せ〜」で応募総数5万2005人の中からグランプリを受賞する。

「私は知らなかったのですが、いとこがオーディションに応募してくれていて。サッカー部の寮で暮らしていて寮のピンク電話にかかって来たので、電話当番の1年生が私より先に知って、よくわからないまま話を聞いていたら、どうやらオーディションの書類選考に受かったらしいとわかって。

(オーディションの)書類はもう届くはずだと言われたのですが、最初聞いた時はびっくりしました。すでに内定もいただいていたので。

周りの方が先にそのことを知ったという感じだったので、『行かないから』と言っていたんですけど、みんなに行った方がいいと言われて、押し問答の結果、関東予選に行くことになりました。

書類選考に通った後の最初の審査が(東京)赤坂のホテルでしたが、私は埼玉の熊谷にある寮で暮らしていて、東京のことはよくわからなかったので、迷子になってしまって集合時間までに着くことができなくて。

まあまあの遅刻をしてしまったので、二度と来ることはないだろうからホテルの喫茶店でコーヒーを飲んで帰ろうと思ったんです。そうしたらコーヒーが当時の私には驚くほど高くてビックリしました。『嘘でしょう?』って(笑)。

学生ですからね。こんなに高いコーヒー代を払ったんだから記念にオーディションを受けにいかなきゃと思って行って、遅刻したことを謝って許していただきました」

――それでグランプリを獲得されたわけですが自信はありました?

「まったくなかったです。『どうして入れてくれたんだろう?』って今でも思います。芸能界というのは、(オーディションの)結果は最初から決まっているのだと思っていたので、『誰なんだろう?多分あいつだな』みたいな、そういううがった見方をしていました」

――グランプリだと聞いた時は?

「驚きましたけど、そういうデキレースじゃないということは、石原プロってまともな会社なんだなって本気で思いました。私みたいな人間を取るというのはって」

――グランプリに決まってマスコミにも大きく取り上げられて生活も一変したでしょうね

「すべてがガラッと変わりました。いきなり石原プロの寮みたいなところに入りましたからね。もともと寮はなかったんですけど、私と同じようにオーディションで5人入ったので、寮みたいなところを用意してくれて半年ぐらい一緒に生活していました」

――徳重さんは、石原裕次郎さんのことは知らない世代になりますか?

「そうですね。裕次郎さんは、私が小学生の時に亡くなったのですが、テレビ番組やスポーツ新聞なども全部大きく取り上げていたので、すごい方が亡くなったんだという認識でした。作品を見たことはなかったので」

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■“石原軍団”の仲間入り!テレビ、映画に立て続けに出演

2004年、「西部警察SPECIAL」(テレビ朝日系)の橘数馬刑事役でデビュー。この作品は、渡哲也さん演じる大門圭介を中心とした刑事チーム・大門軍団の活躍を描いたもの。かつてない派手な銃撃戦やカースタント、巨額の費用を投じた爆破シーンなどが話題に。

「『西部警察』の再スタートというタイミングで加わることになって。その後、石原プロとして、『弟』(テレビ朝日系)というドラマで裕次郎さんの若い時をやらせていただくことになるんですけど、(石原プロの)活動屋(映画づくりに人生をかけてきた職人的な映画人)の人たちの“おっさんたちのパワー”はすごくよく覚えています。

普段は、どうでもいい話ばかりしていて、『何なんだ?このおじさんたちは』と思っていたのですが、仕事(撮影)をやる時はすごいなって本当に思いました」

−石原プロの皆さんの行動力や団結力はすごかったですね

「そうですね。一見怖いおじさんたちがおかしな話ばかりしていて、『何者なんだろう?』と思っていましたけど、実はみんなすごかったんだって(笑)」

――デビューされてすぐに仕事が立て続けにという感じでしたね

「『西部警察』が始まって『弟』を撮影するまで半年ぐらいあったと思いますけど、まさかあんなに大きい作品に参加できるとは思っていませんでした。みんなのパワーを結集して積み上げていって本当にこんなことができちゃうんだって思いました」

――亡くなる時は三浦友和さんでしたが、何人かで裕次郎さんを演じることに対してプレッシャーは?

「十分プレッシャーでした。私は、そんなに長いスパンではないですけど、高校生ぐらいから青年期まで演じさせていただいて。『裕次郎さんをやれって言われても困るよな?』って渡(哲也)さんに言われましたよね。

日活時代に渡さんもそういう思いをしたことがあったらしくて。裕次郎さんの役を演じるわけじゃないですけれども、『“ポスト裕次郎”と言われて、そういうのは困るよな』って、心配して言ってくれていたなって思い出しますね」

――渡さんとは共演作品も多かったですね

「はい。渡さんは、一緒じゃない作品の時も毎回ではないですけど、意見とか感想をご連絡くださって。良かったと思った時はご連絡をいただけるんですけど、あまりよろしくないと思った時は連絡が来ないんです。だから来ないと結構ショックでした。バロメーターになるわけで、ご連絡がいただけたら、まあまあだったのかなって」

デビューした2004年、「西部警察」、「弟」、そしてスクリーンデビュー作となった映画「レディー・ジョーカー」(平山秀幸監督)も公開された。

この作品は、ビール会社社長誘拐事件を、犯人グループ、標的にされた企業、警察の三者の視点から描いたもの。徳重さんは、合田雄一郎刑事役。

現役の半田刑事(吉川晃司)が犯人グループのひとりであることがわかるが、警察内部の腐敗をマスコミに騒がれるのを恐れた捜査本部は、半田の事情聴取の見送りを決定。そんな上層部に憤りを隠せず、単独で尾行していて気づかれて刺されて重傷を負ってしまう。

――主演が渡さんでしたね

「はい。この作品も社長と一緒でした。緊張するので、ご挨拶に行くと、『座れよ。コーヒーを飲んでいけ』と言われる前になるべく退出しようとしていました。やっぱり緊張しましたね、ずっと。初めて会った頃と変わらないぐらいずっと緊張していました」

2006年、「渡る世間は鬼ばかり」(TBS系)に第6シリーズから出演。岡倉夫婦と5人の娘たち、そしてそれぞれの家族の暮らしを描いたもの、徳重さんは、恋多き四女・葉子(野村真美)の夫・大原透役。

――丸刈り姿が印象的でした

「自分を引き抜いてくれた恩人(井上順)の妻・葉子と恋愛関係になってしまったので丸刈りに…という設定でした」

――すでに出来上がっている“渡鬼チーム”に新メンバーとして入っていくのは大変だったのでは?

「そうですね、でも、(葉子の)お父さん役の藤岡琢也さんが亡くなられて宇津井健さんが同じようなタイミングで入られたので、入る理由は違いますけど、いつも私のことも気にかけてくださっていました。『我々は出来上がったところに入るんだから大変だよね』って。

何とかやることができたのは、宇津井さんのおかげがだいぶあると思います。もちろん、もともといらっしゃるレギュラーの方々のお気遣いもありますけど」

――最初は、葉子さんと結婚する予定を知らされてなかったそうですね

「はい。全然聞いていませんでした。そんなに長いシーズン出演することになるということも知らなかったです」

――橋田寿賀子さんの脚本はセリフが多くて大変だったのでは?

「そうですね。誰もがたくさんセリフがあるので、確かにビックリしました」

――ほかの作品で舘ひろしさんと浅野温子さんが夫婦役を演じた時に舘さんが橋田さんに

「あまりにもセリフが多いので、お願いですからセリフを減らしてください」と言ったら「ダメです」と却下されたとおっしゃっていました

「確かにセリフが多いですからね。それは皆さん同じで、先輩方がやってらっしゃるので頑張るんですけど、慣れるものではなかったですね。毎回必死でした」

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■芝居では渡さんに怒られるシーンも多かったが…

2007年、映画「俺は、君のためにこそ死ににいく」(新城卓監督)に出演。この作品は、石原慎太郎さんが製作総指揮と脚本を手掛け、特攻隊員たちのはかない青春を切り取った群像劇。徳重さんをはじめ出演者は、(自衛隊で)隊員生活を実際に体験して撮影に臨んだという。 

太平洋戦争末期、不利な状況に陥った日本軍は、最後の手段として特別攻撃隊を編成。多くの若者たちが大空へと散っていった。そんな中、軍指定の食堂を営む鳥濱トメ(岸恵子)は、複雑な思いを胸に彼らを見守り続けていた…。

徳重さんは、特攻で出撃するが敵機に攻撃され気絶して生き残る中西正也隊長役。戦後、自分だけが生き残ったことに苦悩し続けていたが、靖国神社をトメさんとともに訪れた時、ホタルになって帰って来た部下たちを目にする。

「実話なのでしょうがないのですが、切ない話でした。ラストの岸恵子さんとの靖国神社でのシーンが印象に残っています。部下がみんな死んでいるのに、隊長の自分だけが生き残ってしまったという罪悪感をずっと抱えて生きてきた人で。モデルの方がいらっしゃるので、本当にあったことなんだなと。こんなことがあったんだなって思いました」

――作品を撮っている期間、心情的につらかったのでは?

「そうですね。あの時、出撃して死ねずに落ちて、その後のシーンもあるんですけど、肉体的に絞っただけでなく精神的にもつらいものはありました。ああいうことがあったら本当に心が壊れてしまうと思います」

――ラストシーンのところで救われた感じがしました

「無数のホタルが現れて、亡くなった部下たちの姿が重なって。みんな笑顔で誰も自分のことを責めていない。そういう風に本当に見えたらしいです。本当にいろいろ考えさせられる作品でした」

2007年、2夜連続で放送されたドラマ「マグロ」(テレビ朝日系)に出演。この作品は、青森県大間町に実在するマグロ漁師をモデルに、マグロに挑む漁師とその家族を描いたもの。

主人公は、渡哲也さん演じる魚群探知機など近代設備に一切頼らず経験と勘だけで漁をしてきたマグロ漁師・竜男。徳重さんは、父親と漁に出て右腕を切断する事故に巻き込まれてしまった長男・洋道役。その事故以来、父親とは疎遠になっている。

「社長とは本当に共演させていただく機会が多いんですよね。毎回緊張していましたけど、あの作品の中では怒られているシーンが多かったので、それがしんどかったです。リアルな社長の芝居が怖くて。

目の前で怒っているのはリアルじゃなくて芝居なのですが、(社長は)本当に怒ったら怖いだろうなって。怒られるシーンが多かったですからね。『明日は怒られる芝居か。嫌だなあ』みたいな思いはありました(笑)」

――実際に渡さんに怒られることはあったのですか?

「芝居では多かったですけど、逆に普段はないです。怒られるようなことをしてなかったというのもあるんでしょうけど、石原プロの人たちは、基本的にあまり怒るような人たちでもないので。すぐ怒るような短気の人たちでもないですし、むしろ心が広いので怒られたことは、ほぼないです」

――主演作品をいろいろされていますが、プレッシャーはありますか

「主役の時は、大変は大変ですけど、あまり関係ないかもしれないですね。一つの作品のその役に入っていくというタイプなので、自分としては主役だということで特別変わりはないと思います。責任感はありますけど」

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■山の匠のサポートがなかったら遭難していた

2012年、「山岳刑事 日本百名山殺人事件」(TBS系)で2時間ドラマ初主演を果たす。この作品は、雪崩で恋人を亡くした新任刑事と山育ちのベテラン刑事がタッグを組み、謎の殺人事件、そして恋人の死の真相を解き明かしていく様を描いたもの。

徳重さん演じる主人公・芝本勇次は、県警本部で出世街道を歩んでいたが、自ら異動願いを出し、北アルプスを望む大町北署に着任。その矢先、単独行の女性登山者が転落死する。現場に急行した山のベテラン・道原刑事(大杉漣)と芝本は、殺人事件の可能性を確信。事件を調べていく過程で芝本の恋人(松本若菜)の死の真相が明らかに…という展開。

「2時間ドラマに初めて主演させていただいたのですが、大杉漣さんにおんぶに抱っこという感じでした。『漣さん、ちょっといいですか?』っていろいろ教えていただいて。本当に良くしていただきました」

――雪山でのシーンがかなり多かったですが、登山は?

「登山はしたことがなかったです。あの時、登山用具を一式買ったりしたので、今でもその道具は持っていますけど。ブーツもリュックも用意してもらったものではなく自分用に購入したのですが、雪山登山はやるものじゃないなと思いました。実際の雪崩が起きたあとを見たので。

山の匠(たくみ)の方が山岳指導でサポートしてくださっていたのですが、ある時、いつも通っていた山道をやめたんです。それで、『いつもここから上がるのに、どうしたんですか?』って聞いたら『ちょっと嫌な予感がします』って。それで別ルートで上がって撮影して降りてきたら、雪崩が起きてその山道が潰れてなくなっていたんです。

だから、山の匠の方に付いてもらってなかったら、雪崩に巻き込まれていたと思うので、雪山は怖いなあって。プロはやっぱりすごいですよね。プロに付いてもらわないと危険だし、プロが付いていたとしても、雪山は怖い。

自然に触れさせてもらう機会は多いですし、趣味で行ってみようと思って道具は一通りそろえましたけど、何でもかんでも食いつくものではないなって思いました」

2013年には、第二弾「山岳刑事2 魔の山 連続遭難殺人」(TBS系)も放送された。主演ドラマ、主演映画も経験し、多くの作品に出演してきた徳重さんは、それまでのイメージを大きく変えるドラマ「下町ロケット」に出演。クセのある技術者・軽部真樹男役の怪演が話題に。次回はその撮影エピソードなども紹介。(津島令子)

※徳重聡(とくしげ・さとし)プロフィル

1978年7月28日生まれ。鹿児島県生まれ、静岡県出身。2004年、「西部警察SPECIAL」でデビュー。映画「俺は、君のためにこそ死ににいく」、「下町ロケット」、「裕さんの女房」(NHK)、「愛しい嘘〜優しい闇〜」(テレビ朝日系)、連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」(NHK)、「邪神の天秤 公安分析班」(WOWOW)、映画「宣誓」(柿崎ゆうじ監督)、舞台「忠臣蔵」(演出:堤幸彦)などに出演。映画「ライフセーバー!」(児玉宜久監督)が公開中。

ヘアメイク:大沢香織

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