女優の吉永小百合が、映画出演125本目となる『母の待つ里』で主演を務めることが28日、発表された。小説家・浅田次郎氏の同名小説を映画化する作品で、吉永が浅田作品に出演するのは初めてとなる。
原作は、2022年に刊行され、累計発行部数26万部を突破している浅田氏の長編小説『母の待つ里』(新潮文庫刊)。浅田作品では、1995年に吉川英治文学賞新人賞を受賞した『地下鉄(メトロ)に乗って』、1997年に直木賞を受賞した『鉄道員(ぽっぽや)』、2000年に柴田錬三郎賞を受賞した『壬生義士伝』などが映画化されている。
大企業の社長として孤独を抱える松永徹、定年を機に妻と離婚した室田精一、親をみとったばかりの医師・古賀夏生の3人が、「母」のちよが待つふるさとへ里帰りするところから物語が始まる。囲炉裏端の料理や昔話、ちよと過ごす時間を通じて、それぞれの人生が少しずつ変化していく姿を描く。
脚本は、『おくりびと』や『湯道』を手がけた放送作家、脚本家の小山薫堂氏。監督は、『こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話』『老後の資金がありません!』『九十歳。何がめでたい』などの前田哲氏が務める。吉永と前田監督がタッグを組むのは初めてで、吉永は主人公・ちよを演じる。
撮影は岩手県遠野市を中心に今年5月から始まり、春・夏の撮影は7月に終了した。今後は秋と冬の場面を撮影し、2027年1月の撮了を予定している。四季の移ろいとともに、登場人物たちの心の変化を映し出すという。
吉永は「15歳で映画俳優になり、幸運に恵まれて今日まで歩いてきました。『母の待つ里』は、私にとって125本目の映画です」と、節目の作品への思いを明かした。
続けて、「浅田先生原作の映画に初めて出演させていただくことになり、うれしくて舞い上がっています。そして、前田監督の若々しいエネルギーをしっかり受け止め、『心の母』をひたむきに演じたいと、祈るような思いです」と喜びを語った。
さらに、「5月にクランクインし、これから秋編、厳しい寒さの中での冬編の撮影に入っていきますが、スタッフ、キャストの皆さんとともに、来年秋の公開に向けて力を尽くします」と意気込みを語った。
映画『母の待つ里』は、2027年秋に公開予定。