映画『学校III』で日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞し、ドラマ『人間・失格〜たとえばぼくが死んだら』などで天才子役として一世を風靡した黒田勇樹。現在は子どもたちへの演技指導や舞台演出を手がける一方、2度の離婚や借金を経験し、夜な夜なガールズバーに通う日々を送っている。ABEMAの密着番組『NO MAKE』は、孤独や失敗を抱えながらも、芝居への情熱を燃やし続ける彼のありのままの日常に迫った。
東京・杉並区の教室で、子どもたちに演技のイロハを教える黒田。否定することなく実演を交えて分かりやすくアドバイスする姿勢は「優しい先生」と生徒たちから慕われている。子役指導の月収は約10万円。それでも演技指導に情熱を傾ける理由について、「俺が30歳になって自分で気付いたことを10歳とかに教えたら、10年後、20年後にめっちゃ面白い俳優が生まれるんじゃないかと。俺もすごい偉い人たちに教わって今があるわけだから。それをワクワクしながら教えている」と語る。
10代の頃は引く手あまただったものの、日本アカデミー賞受賞によって「格」が上がり、出演料が高額に設定されたことでオファーが激減。一度身を引いて始めた引越し屋のアルバイトでは月35万円ほど稼げたものの、派手な遊興費で気が付けば借金は300万円に達した。世間からの注目が薄れる中で孤独を深め、病院でアルコール依存症と指摘されるほど酒に溺れていった。
当時の状態について、黒田は「人と一緒にいれば(酒は)全然大丈夫。『酒やめろ』と言う人がいたら、『じゃあ1カ月一緒にいてくれる?』と。それに付き合ってくれる友人たちと1カ月過ごしたら、その後3年間やめられた。でも結局コロナ禍でまた飲み始めてしまった」と明かす。
プライベートでは2度の結婚と離婚を経験。前妻との間に生まれた5歳の息子とは、離婚後は会えていない。取材陣から「将来、このVTRを見るかもしれない息子へのメッセージ」を求められると、「パパは君のことが大好きです。手放したわけではありません。お母さんたちと一緒にいた方が幸せだと思って、自分が離れる選択をしました。この意味はとっても難しいから、30歳ぐらいになったらお酒を飲みながら話しましょう。元気に頑張ってください」と、父親としての切ない本音を語った。
生活費のためにバーなどのアルバイトも掛け持ちし、年間の休みは数えるほど。そんな彼が最も心を燃やすのが、今年でキャリア14年目となる舞台演出の仕事だ。妥協を許さない稽古の後、自らの仕事論について「俺らが一番大事なのはお客さん。次がスタッフ。その下にキャスト。最後に黒田。黒田は頑張ればいいだけ。誰に嫌われようとも厳しく言って、一番上のお客さんに面白いなと思ってもらえるようなことをしなきゃいけない」と熱弁した。
稽古→タクシーでガールズバーへ

稽古が終われば、片手に梅サワーを持ち、タクシーでガールズバーへ向かう。オバマ大統領が服選びの時間を惜しんだエピソードを引き合いに出し「俺も選ぶ時間がもったいないから梅サワーしか選ばない」と持論を展開。キャストへのドリンクも惜しみなく注文し、「女に金借りてでも入れるよ」と笑う。
店を出た後、所持金が200円しかないことに気づくも「明日が給料日だから。寝れりゃいいや」と意に介さない。酒と芝居を愛し、泥くさく生きるかつての天才子役は、傷だらけになりながらも自分だけの道を歩み続けている。
(『ABEMA NEWS』より)