日本文学を代表する作家・谷崎潤一郎の最後の長編小説「瘋癲老人日記(ふうてんろうじんにっき)」をウェイン・ワン監督が映画化した『Diary of a Mad Old Man』(原題)の場面写真が4日、公開された。
本作は現在の東京を舞台に、脳卒中からの回復過程にある69歳のウツギが、リハビリのために訪れる長男の妻・スースーに次第に執着していく物語。衰えていく体とは対照的に性への欲望を募らせるウツギとスースーの関係を通じ、誘惑と妄想の境界を描く。
主人公の老人ウツギを、俳優で文筆家のリリー・フランキー(63)が演じる。長男の妻・スースー役は中国人俳優のファン・ビンビン(45)、長男・ジョウキチ役は俳優の斎藤工(45)が務める。
『スモーク』『ブルー・イン・ザ・フェイス』などで知られるワン監督とリリー、斎藤は3日、第39回東京国際映画祭での上映後、舞台あいさつに登壇した。トークセッションと質疑応答が行われ、2027年夏の全国公開も発表された。
舞台あいさつでは、リリーがワン監督との出会いや、本作の企画について語った。二人は2016年公開の映画『女が眠る時』で出会ったという。
リリーは「そもそも、ウェインから『“老人の性”をテーマにした映画を撮りたい』と10年ぐらい前から聞いていて、プロットを書くのを相談されていたんですけど、『いろんなアメリカの俳優に断られているから、もう、お前でいい』って言われて、『え? 俺、出るんだ?』と思いました(笑)」と振り返った。
これに対し、ワン監督は「断ったのは彼ら(=ハリウッドの俳優)じゃなくて、私のほうです」と説明。「やはり、この映画に白人の男性が出演するのは、非常に違和感があると思うんです」と話し、リリーを起用した理由を明かした。
リリーは「紆余曲折あって、日本人と中国人(ファン・ビンビン)のキャストで、中国系アメリカ人のウェインが撮るアメリカ映画という、一番平和な成り立ちになりました。やはり『エロは世界をつなぐ』!」と語り、ワン監督と本作を作ることになった経緯を明かした。