全国でわずか6軒という珍しい苗字「王隠堂(おういんどう)」を受け継ぐ一家を訪ねた。その由来は、およそ700年前の南北朝時代にまでさかのぼるというが…。
番組が訪れたのは、奈良県五條市で暮らす王隠堂さん一家。「王隠堂」という苗字は、全国でもわずか6軒しかないという。
なぜ「王隠堂」という苗字が生まれたのか。今回案内してくれる家主・王隠堂 正悟哉(まさや)さんによると、その歴史はおよそ700年前、南北朝時代までさかのぼるという。
正悟哉さんの案内である山へ向かい、石段を上っていくと、立派な門が出現。そこには「農悠舎王隠堂」の表札が。ここは一家が約20年前まで暮らしていた旧宅で、現在は築150年以上の古民家を改修し、レストランを営んでいる。なお、周囲の山や畑を含めた旧宅の敷地面積は約1800坪にも及ぶという。
旧宅には、苗字の秘密が記されているという1枚の屏風が。そこに書かれていたのが「後醍醐天皇」の文字だった。
鎌倉幕府の滅亡後、後醍醐天皇による政治が行き詰まり、天皇家が南朝と北朝に分かれて争った南北朝時代。京都を追われた後醍醐天皇は、追手から逃れて奈良県の吉野へ向かった。
一家に伝わる話では、その際、農家を営んでいた先祖が後醍醐天皇をお堂の中にかくまい、後醍醐天皇は追手をやり過ごしたという。その働きへの御礼として、「王を隠したお堂」にちなんだ「王隠堂」という苗字を賜ったと伝えられているそうだ。
屏風にも、後醍醐天皇が賀名生へ逃れてきた際、一家の先祖がかくまい、世話を尽くしたことで苗字を賜ったのではないかと記されていた。
約700年にわたって受け継いできた苗字と地域を未来へ残すため、王隠堂さん一家は現在、農業を志す若者たちとともに地域の特産品を生産。採れた野菜を古民家レストランで提供するほか、畑仕事の合間に立ち寄れる山小屋カフェも運営している。
さらに地域の人々と協力し、2021年には山の中に星空を楽しめるグランピング施設もオープン。苗字だけでなく、一族が暮らしてきた土地そのものを守り、次の世代へつなぐ活動に取り組んでいる。
(11月3日(火)放送『プラチナファミリー 華麗なる一家をのぞき見』)

