レスリング存続の決め手は?現地から舞台裏を報告[2013/09/09 11:48]

 IOC=国際オリンピック委員会は、2020年の東京オリンピックの実施競技の残り1枠にレスリングを選びました。取材を続けてきた平石直之アナウンサーの報告です。

 (平石直之アナウンサー報告)
 (Q.レスリングの決め手は何だったのか?)
 「生まれ変わったレスリング」を徹底してアピールしたことに尽きると思います。ルール変更や組織改革だけではなく、例えばプレゼンテーションで質問に答える際にも、一人ひとりIOC=国際オリンピック委員会の委員の名前を呼んで丁寧に答えていたことに象徴されるように、謙虚な姿勢に徹して、「体質そのものも変わったんだ」と示そうとしたことも好印象だったようです。あるIOC委員も「レスリングは信じられないほど変わった」と話していました。ただ、決定の瞬間を会場の中で見ていて、レスリング関係者が雄叫びを上げて喜んでいる、そのすぐそばで、野球・ソフトボールとスカッシュの関係者が言葉も出ないほどに落胆しているという、その明暗は残酷にも思えました。「開催都市」についてもそうですが、IOCは、こうした重い決定をわずか100人ほどの委員が無記名の投票で決めて、しかも、ほとんど表には見えてこない「ロビー活動」がその投票に影響を大きく与えるという非常に閉ざされた世界です。今回、その実態を少しだけ踏み込んで垣間見ることができた思いがします。

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