ASEAN諸国、共同声明出せず 中国に配慮[2015/11/05 01:50]

 ASEAN(東南アジア諸国連合)拡大国防相会議では、国際的な非難を受けながら南シナ海の実効支配を強める中国に対し、ASEAN諸国は結束を示せず、けん制が難しい現実が浮き彫りとなりました。

 会議に合わせて開催された米中国防相会談で、中国の常万全国防相は「いかなる国も『航行の自由』を名目に他国の利益を侵害してはならない」として、カーター国防長官に対し、「二度と正しくない言動を取らないよう促す」と懸念を伝えました。また、中国との経済的な結び付きを強めるASEAN諸国が中国に配慮し、会議では共同宣言をまとめることができない異例の事態となりました。この件についても中国側は「責任は完全に個別の地域外の国家にある」として、アメリカへの批判を続けました。「航行の自由」という国際法上の権利を根拠に中国をけん制するアメリカの狙いは果たせなかった形で、中国の強硬な姿勢が目立った会議となりました。

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