中国政府の反応は 台湾「総統選」民進党が圧勝[2016/01/17 17:34]

 台湾のトップを決める総統選が16日に投開票され、野党・民進党の蔡英文主席(59)が与党・国民党の朱立倫主席(54)らに大差を付けて当選しました。台湾では8年ぶりの政権交代となります。中国寄りの国民党に代わって、中国と一定の距離を置く民進党が政権を握ったことを受けて、中国政府の対応はどうなっているのでしょうか。

 (登島貴之記者報告)
 総統選から一夜開けた民進党選挙本部には、17日は蔡主席は姿を見せていませんが、大勢の人々が集まって蔡主席の応援グッズを買い求めている状況です。台湾の人々に総統選の結果について話を聞いたところ、ほとんどの人が「8年ぶりの政権交代と初の女性総統誕生に期待している」「お祝いしたい」と話していました。ただ、中国政府には一切、歓迎ムードはみられません。中国外務省は「台湾問題は中国の内政問題。世界には一つの中国しかない。台湾独立に反対し、いかなる活動も決して容認しない」とコメントしていて、早速、民進党に釘を刺しています。
 (Q.経済も含めて、中台関係の見通しは?)
 蔡主席は16日、改めて「平和で安定した中台関係の現状維持を目指す」と台湾の人々に訴えました。台湾と中国は経済面などで密接に結び付いているので、前回、民進党が政権を取っていた2000年から2008年の時のように、中国との緊張が高まるのを避けたい考えです。一方の中国は、「一つの中国」という考えのもと台湾統一を目標としていて、「一つの中国」という考えを受け入れていない民進党への警戒感が強く、5月に蔡主席が正式に総統に就任した後に民進党の出方を見つつ、経済交流の停止などのカードをちらつかせるなど様々な圧力を掛けてくる可能性があります。

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