米本土も射程か 大統領候補討論会でも激論[2016/02/07 17:06]

 7日午前9時半ごろ、北朝鮮が事実上の弾道ミサイルを発射しました。アメリカの反応をワシントンから報告です。

 (山下達也記者報告)
 ミサイル発射があった時は現地時間の6日夜で、大統領選の共和党候補者のテレビ討論会が全米に中継される直前でした。討論会でも一時、この問題に議論が集中しました。
 共和党、ドナルド・トランプ氏:「北朝鮮問題は中国に解決させる」
 共和党、ジェブ・ブッシュ氏:「米国の安全のため、必要ならば北朝鮮に対し、先制攻撃すべきだ」
 ブッシュ氏は人気が低迷していることもあり、先制攻撃にまで言及して強い姿勢をアピールしました。今、オバマ大統領の任期は1年を切っているので、北朝鮮の目が次の大統領に向いているというのは明らかです。そして、オバマ政権はイランやキューバとは関係改善をしましたが、北朝鮮についてはほぼ無視の状態だったので、討論会で話題をさらったということは北朝鮮にとってみれば、してやったりだったかもしれません。そして、アメリカ国防総省は、今回のミサイルはアメリカへの脅威ではないとしながらも、宇宙に突入したと認めています。本土に届くミサイルに核実験を繰り返して小型化した核弾頭が搭載されるということになれば、アメリカにとって最悪のシナリオになります。8日、国連で非難声明をまとめ、さらに制裁強化を協議します。しかし、後ろ向きな中国が態度を変える保証は全くありませんし、アメリカ国内にも中国への不満があります。こういう時にトランプ氏が言うように「中国にすべて責任を負わせて、中国に圧力を掛けてすべて解決させる」と豪語する候補者がまた支持を得る可能性も出ています。オバマ大統領がレームダックの変わり目のタイミングでの北朝鮮の仕掛けが、大統領選びにも微妙に影響を及ぼしてくるという状況になっています。

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