党内の亀裂、演説盗作…“想定外”の共和党大会閉幕[2016/07/22 17:09]

 政治経験ゼロで「泡沫(ほうまつ)」といわれながら大統領候補にまで上りつめたトランプ氏。トランプ氏は、どのような「アメリカ大統領」を目指しているのでしょうか。共和党の党大会は閉幕しました。この4日間はトランプ氏の思惑通りに進んだのでしょうか。

 (山下達也記者報告)
 トランプ氏は、特別な大きい「TRUMP」と書かれたモニターが設置されているステージで演説を行っていました。党大会は、実はトランプ氏にとっては想定外のものだったことは間違いありません。一つは、21日に演説した予備選で争ったクルーズ氏の反乱です。クルーズ氏は、トランプ氏支持を表明せずに自由投票も呼び掛けました。しかも、クルーズ氏が長く話しすぎて、とりを務めた副大統領のペンス氏がおいしい夜のプライムタイムの時間から少し押し出されてしまうという誤算もありました。党内の亀裂は鮮明になりました。また、初日のメラニア夫人の演説がミシェル・オバマ夫人の盗作だったこともダメージとなります。メラニア夫人は今後も演説する機会はありますが、毎回、「盗作ではないか」という疑いの目を向けられることになります。今回、各国の外交団も出席していましたが、トランプ陣営の危機管理能力のなさには少し呆れていました。本選では共和党内だけの争いではなく、態度を決めてない無党派層へのアピールが重要になるので、この能力の欠如はマイナスとなります。来週、行われる民主党大会が共和党大会の評価のポイントになります。華々しいゲストが登場して、サンダース氏も含めて民主党が結束すればトランプ氏の影が薄まり、今後の勢いも削がれてしまうということになると思います。

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