徴用工判決 「歓迎」と「懸念」で文大統領板挟み[2018/10/31 11:46]

 徴用工の問題を巡って韓国の最高裁が日本企業に賠償を命じたことを受けて、韓国では今回の判決を歓迎する声が大きいものの、日韓関係悪化への懸念も出ています。ソウルから報告です。

 (高橋政光記者報告)
 韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は、自らの支持基盤でもある徴用工問題の被害者や支援者らの意向を尊重したい一方、北朝鮮問題への対応に向けてこれ以上、日本との関係を悪化させるわけにもいかず、いわば板挟みの状況に追い込まれています。韓国メディアは、前の朴槿恵(パク・クネ)政権で先送りされた元徴用工への賠償がついに認められたといった判決に肯定的な報道が多いですが、「韓日関係に台風」などと日韓関係悪化への懸念も指摘しています。弁護士出身の文大統領としては司法介入は避けたいところで、韓国外務省は「日韓両国が知恵を絞る必要がある」と日本側に伝えたものの、誰もが納得する解決策はありません。今後も徴用工に関する訴訟の判決が相次ぐため、韓国政府には速やかな対応が求められますが、対応によってはさらなる混乱を招く恐れもあります。

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