“合意なき離脱”現実に?EU離脱案否決で混迷深まる[2019/01/16 11:47]

 イギリス議会でEU(ヨーロッパ連合)との離脱合意案が大差で否決され、3月に迫った離脱の行方は一層、不透明になりました。

 (金子陽記者報告)
 議会前では、離脱合意案の否決を受けて離脱賛成派からも反対派からも大歓声が上がり、今のイギリス国内の混沌(こんとん)とした状況を物語っていました。離脱合意案は大差で否決されました。メイ首相の足元の与党・保守党から100人以上が反対に回り、イギリスメディアは「歴史的大差での敗北」と伝えています。
 イギリス、メイ首相:「私はEU離脱の国民投票直後に首相となりました。国民投票の結果をやり遂げることが私の使命で、これからもそのつもりです」
 メイ首相は代替案を週明けまでに出さなければいけませんが、反対派を納得させられるような修正の見通しは立っていません。EUのユンケル委員長は「ほとんど時間切れだ」と焦りをにじませています。野党からは不信任案も突き付けられ、メイ首相は八方ふさがりです。このまま3月末を迎えれば、経済や社会を混乱させる「合意なき離脱」が現実となる可能性があります。

こちらも読まれています