1992年両陛下訪中 当時の上海担当者が振り返る[2019/04/29 19:10]

 天皇皇后両陛下が1992年に中国を訪問された際、上海で迎えた当時の担当者が舞台裏を明かしました。

 元上海市副市長・趙啓正氏:「天皇陛下の写真です。何十年経った今も記憶は鮮明です」
 1992年10月に天皇皇后両陛下は即位後、初めて中国を訪問されました。北京、西安を訪問された後、最後の訪問地である上海で受け入れを担当したのが後に中国の閣僚を務めた趙啓正副市長でした。
 元上海市副市長・趙啓正氏:「路上と建物の中には市民があふれて歓迎し、天皇陛下は大変喜ばれ、車内が広かったので、席から離れしゃがんで、上層階の市民にも手を振られました」
 繁華街「南京路」での視察には5万人もの市民が詰め掛けました。中国では訪中への反発も残るなか、日本側には安全面での懸念もありました。
 元上海市副市長・趙啓正氏:「(視察前の晩餐会(ばんさいかい)で)私の隣に座っていた渡辺美智雄外務大臣(当時)は、人が大勢いると誰かが陛下の車列に卵を投げ付けるのではないかと心配していました。私は『そんなことは起きません』と答えました。(盛大な歓迎を受けた外国の要人は)私の任期中では天皇陛下以外にはいません。天皇陛下を待っている人たちと通行止めで通れない人たちで沿道はごった返していました。しかし、陛下の姿を見ると誰も文句を言いませんでした。陛下の言動には、日本人が中国人と友好的な関係でいたいという気持ちが表れていました」

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