北朝鮮の飛翔体 韓国が「ミサイル」と認めない訳は[2019/05/06 17:10]

 北朝鮮が発射した飛翔(ひしょう)体について、専門家らは「短距離弾道ミサイル」の可能性が高いとしています。今回の発射について、韓国は「ミサイル」と断定せずに慎重な姿勢です。なぜ、韓国はミサイルと断定しないのでしょうか。ソウルから報告です。

 (良永晋也記者報告)
 韓国の態度を決めているのは、2つの要素です。1つは「南北融和策」、もう1つは「アメリカの判断」です。文在寅(ムン・ジェイン)政権としては、融和策に「失敗」の烙印(らくいん)を押されることはなんとしても避けたいところです。国内の支持層の失望を買うだけでなく、反対層の批判を勢い付かせて政権の屋台骨が揺らいでしまうからです。5日の声明も「南北で約束したことは守りなさい」という内容で、批判のトーンを抑えた印象でした。北朝鮮を過度に刺激しないように苦慮していることも見て取れます。また、同盟国であるアメリカが「弾道ミサイル」と断定していない以上は韓国としても断定はできないという事情があります。ただ今後、仮に国連安保理決議に違反する弾道ミサイルと断定された場合に韓国としてはどんな反応をするべきか、文政権はかなり頭を悩ませていると思われます。

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