プーチン大統領の狙いは? 午後から米ロ首脳会談[2019/06/28 11:55]

 プーチン大統領が28日朝、大阪に到着しました。日本とアメリカに対してロシアはどう向き合うのでしょうか。
 
 (長谷川由宇記者報告)
 プーチン大統領が今回の訪日で最も重視しているのは、午後からのアメリカのトランプ大統領との会談です。ロシア政府はこれまでイランやベネズエラ情勢などを巡って、ことごとくアメリカと敵対する勢力を支持してきました。プーチン大統領は大阪到着後にその足で同じくアメリカと対立する中国の習近平国家主席らと早速、会談し、仲間内で綿密に作戦を練っている状況です。ただ、アメリカが主導する制裁でロシア経済は停滞していることから、直接会談で関係改善の糸口をつかみたいのも本音です。ロシア大統領府関係者は、前回のG20のようにトランプ大統領に直前で会談をキャンセルされることを恐れていて、「今回の会談の準備ではスケジュールについてのアメリカ側の要求をすべてのんだ」と話していました。一方、北方領土を巡る日本との交渉については国内世論の反発もあり、プーチン大統領はそこまで乗り気ではありません。先週には北方領土について「引き渡す計画はない」と明言していて、日本側が当初に描いていた今回の訪日で平和条約締結に向けた大きな進展を得るというシナリオは崩れ去りました。プーチン大統領としては、アメリカとの関係については現状打破を目指す一方で、日本との関係については現状維持でも良しとするという姿勢で今回のG20に臨むものと思われます。

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