拉致問題はタイでも 判明まで27年…帰国を祈る親族[2019/07/17 09:00]

 北朝鮮に拉致された1人のタイ人女性。14年前に拉致の事実が判明しましたが、その後に進展はありません。そんななか、先日、ある節目を迎えて女性の親族らが集まりました。現地を取材しました。

 タイ人のアノーチャー・パンチョイさんは1978年、出稼ぎ先のマカオで行方が分からなくなりました。彼女が北朝鮮に拉致されたことが分かったのは、失踪から27年が経った2005年。日本人拉致被害者である曽我ひとみさんの夫、チャールズ・ジェンキンスさんが「北朝鮮で近所に親しくしていたタイ人女性がいた。男2人に突然、縛られ、船で拉致されたと話していた」などと証言したのです。この一報に彼女を慕っていためいは。
 アノーチャーさんのめい・ウライさん:「彼女が見つかって、すぐに家に帰ってくるんだと思って大喜びしました」
 しかし、タイ政府の問い合わせに北朝鮮側は「そのような人物は見つからなかった」という回答を繰り返し、ジェンキンスさんの証言を「でっちあげ」と非難します。アノーチャーさんの実家の中を見せてもらうと。
 アノーチャーさんのめい・ウライさん:「この服が彼女のお気に入りでした。裾の広いズボンによく合わせていました」
 アノーチャーさんのおい・バンジョンさん:「もし、彼女が戻ってきてこの服を見たら、泣いて当時の記憶を思い出してくれると思います。だから大事に置いておきます」
 さらにこんなものも。
 アノーチャーさんのおい・バンジョンさん:「これがバンコクで働いていた時に買ってきてくれたお土産です。これは氷を入れる容器です。30、40年前当時、これを持っていると、とてもおしゃれだと思われました」
 家族思いだったアノーチャーさんが買ってきたお土産の数々も大事に保管されていました。
 この日はアノーチャーさんの65歳の誕生日。親族らは彼女が無事に帰国できることを願い、僧侶を呼んで儀式を行いました。日本からは拉致被害者家族会の増元照明前事務局長も駆け付けました。
 ただ、日本と同じでタイでも拉致被害者の関係者は高齢化の問題に直面しています。
 今月末には北朝鮮の外相も出席する国際会議がタイのバンコクで開かれます。親族らはここで拉致問題を取り上げるようタイ政府に申し入れをしています。

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