WTO舞台に両国エースが…“輸出規制”で日韓激突[2019/07/23 17:30]

 韓国に対する日本の輸出規制の問題が話し合われるWTO(世界貿易機関)の会合がスイスのジュネーブで始まりました。議論はどのような方向に進むのでしょうか。スイス・ジュネーブから報告です。

 (山上暢記者報告)
 WTOの会合は会議室で始まりました。今は中の様子をうかがい知ることはできないですが、実は、日本と韓国は隣り合った席に配置されています。このWTOの一般理事会という会合は、WTOの実質的な最高機関にあたります。ただ、何かの決議がここで決まるわけではないですが、韓国側は国際社会に対して日本の措置は不当だと強く働き掛けたい狙いがあって今回、議題として取り上げました。この会議には通常、ジュネーブに駐在する大使が出席しますが、韓国側は通商問題のエースと呼ばれる人物を送り込んできました。それが、金勝鎬(キム・スンホ)室長という人ですが、このキム室長は福島県などの海産物の輸入禁止措置の問題がWTOで争われた時に逆転勝訴を勝ち取った人物です。通商問題のエースを送り込んで国際社会に対して強く訴え掛けたい狙いがあるとみられます。一方、日本も外務省の経済局長を送り込み、日本の措置はWTOのルール違反にはあたらないと主張する構えです。今回の議題は会合すべてで14個の議題があるうちの11番目に話し合われるということで、終盤にもつれ込む可能性が高いです。ただ、その肝心の議論は平行線で終わる可能性が高いとみられています。

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