米朝交渉前にミサイル 米に最大限譲歩を迫る狙いか[2019/10/02 11:51]

 北朝鮮が軍事的緊張を高めるSLBM(潜水艦発射弾道ミサイル)発射に踏み切ったのは、アメリカの非核化交渉への本気度を試し、最大限の譲歩を迫る狙いがあるとみられます。ソウルから報告です。

 (高橋政光記者報告)
 北朝鮮が米朝実務協議の日程を発表した翌日のミサイル発射とあって、対話再開を歓迎していた韓国でも衝撃が走っています。北朝鮮はSLBMが搭載可能とされる潜水艦を造り、金正恩委員長が視察するなど開発を着々と進めてきました。新型のSLBMが完成すれば世界のどこからでもアメリカを狙うことができるうえ、発射前の探知が難しいため、非常に脅威となります。北朝鮮は非核化をするのであれば次の米朝首脳会談が“最後の機会”と位置付けています。これまで北朝鮮の体制を支えてきた核兵器を手放すには、アメリカが本気で安全保障について対応してくれないと何もできないと考えています。また、米朝交渉が決裂した場合にも備え、軍事力の強化は必要不可欠です。金委員長はアメリカとの交渉期限を年末と明言しているため、北朝鮮は当面、最高レベルの「瀬戸際外交」を続けるとみられます。

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