EUの欧州グリーンディール 温室ガスを実質ゼロに[2019/12/12 16:10]

 11日、EU(ヨーロッパ連合)が新たな気候変動対策として温室効果ガスの排出量を実質ゼロにするという概要を公表しました。

 欧州緑の党、フィリップ・ランベール氏:「まず第一にEUが温暖化を摂氏1.5度に制限し、闘うためにできる限りのことを確保する必要がある。これまでEU連合の約束が十分ではなかったし、満たされてもいなかった」
 11日、欧州委員会が「欧州グリーンディール」と名付けた環境対策の概要を公表しました。欧州グリーンディールでは、2030年までに温室効果ガスの排出量を従来の40%減から50%減に引き上げ。2050年にはEU圏内での温室効果ガスの排出を“実質ゼロ”にする法案を2020年3月までにまとめる方針を示しました。また、環境問題のインフラなどに向け、欧州委員会では1000億ユーロ、日本円で約12兆円の資金供給の仕組みを作るとしています。
 では、どのようにして温室効果ガスの排出を実質ゼロにするのでしょうか。今、世界各国で注目されているのが、二酸化炭素を地中深くに閉じ込める「地中貯留」という方法です。工場などから排出される二酸化炭素が大気中に拡散する前に地中に含まれる油などを抜いて地下深くに閉じ込めることで、長期間にわたって安定的に貯留する技術です。地中貯留の技術が確立すると、世界の70年分の二酸化炭素が地下に埋められるようになるといわれていて、地球温暖化対策の切り札です。
 フォンデアライエン欧州委員長はEUを「世界初の気候中立大陸」にすると公約を掲げています。
 フォンデアライエン欧州委員長:「この変革のコストが高すぎるという意見もあります。行動しないことへの代償がいくらになるのかを決して忘れないようにしましょう」

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