ミャンマーのイスラム系少数民族「ロヒンギャ」の人々が暮らす難民キャンプで新型コロナウイルスの感染者が出たことが分かり、感染拡大の懸念が出ています。
バングラデシュ南東部のコックスバザールにある難民キャンプには、ミャンマーから逃れたロヒンギャ難民約86万人が衛生設備が整っていない環境に密集して暮らしています。このキャンプでは14日に初めて感染者1人が報告されたほか、地元住民1人にも感染が確認されました。国連の報道官は、難民キャンプの環境は「感染のリスクが最も大きい」と警鐘を鳴らし、国際社会に支援を呼び掛けました。現地の国連などのチームは濃厚接触者を特定して検査を行うほか、病床の確保などの対策を急いでいます。また、人権団体などによりますと、先月にはロヒンギャ難民380人余りを乗せた船が漂流しているのがバングラデシュの湾岸警備隊に発見されました。救助された人の話では、マレーシアに向かったもののウイルスを持ち込む可能性を理由にマレーシア軍に着岸を拒否されて2カ月間、漂流して少なくとも30人が餓死したということです。
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