コロナ血漿治療 米NIH「安全性証明データ不十分」[2020/09/03 08:04]

 アメリカ食品医薬品局が緊急使用を認めた新型コロナウイルスの血漿(けっしょう)療法について、別の政府機関が「安全性を証明するデータが不十分だ」と異なる見解を示しました。

 アメリカのNIH(国立衛生研究所)の委員会は1日、「現段階で回復患者から採取した血漿の有効性や安全性を証明するデータは不十分」などとする見解を発表しました。「血漿を使用する長期的なリスクも評価されていない」としたうえで、「新型コロナウイルスの標準的な治療法と考えるべきではない」と慎重な姿勢を示しています。アメリカでは先月23日、トランプ大統領とFDA(食品医薬品局)が共同で会見し、血漿を使った治療を緊急的に認めると発表したばかりです。政府機関で見解が異なることについてメディアからは、FDAの発表が大統領選挙に向けた共和党全国大会の前日だったことなどから「政治的な動機によるもの」という見方も出ています。

こちらも読まれています