新型コロナワクチン 日本での供給はいつ?課題も[2020/11/11 13:06]

新型コロナウイルスのワクチン開発で大きな進展がありました。

日本時間で9日、アメリカの製薬大手「ファイザー」が、ドイツのベンチャー「ビオンテック」と共同開発している新型コロナウイルスのワクチンについて、臨床試験の最終段階の暫定評価で90%以上の予防効果があったと発表しました。

日本への供給で基本合意はしているものの、いつごろ国内に入ってくるのか。飯村真一アナウンサーがその詳細を紹介します。

■日本での供給時期はいつぐらいになるのか

7月に日本政府とファイザーの間で、来年6月末までに1億2000万回(6000万人)分のワクチンを供給することで基本合意しています。
ファイザーとしては国内での接種には厚労省の承認が必要なため、先月から日本人160人を対象に第1段階、第2段階を同時に治験開始しているそうです。
今後、第3段階を行うかどうかは分かりませんが、厚労省の許可を得るための作業は進めているということです。

医薬基盤研究所・保富康宏センター長によりますと、順調にいけば、来年5月下旬から6月上旬には厚労省の承認を得て供給開始できるのではないかとみられています。
オリンピックにはぎりぎり間に合いそうですが、日本のインフルエンザ流行期の冬には難しそうです。

■全体のワクチン供給はどうなるのか

10日に菅総理は「来年前半までに全国民に提供できる数量を確保する」と述べました。
ファイザーが6000万人分、アメリカの「モデルナ」が来年上半期に2000万人分ということで契約しています。
イギリスの「アストラゼネカ」とは来年初頭から6000万人分ということで基本合意ということになっています。

進捗(しんちょく)状況は、モデルナが来月にもアメリカで緊急使用許可承認へ順調に進んでいるようです。
3社と合わせて、1億4000万人分のワクチンを日本で確保できそうです。

■今後、接種はどうなるのか

接種自体は自己負担なしで無料の方針だということです。
優先順位としては、医療従事者は除いて、一般の人々では高齢者や基礎疾患がある人を優先的に接種していくようです。

ただ、課題もあるということで、医薬基盤研究所・保富康宏センター長によりますと、新しいタイプのワクチンを短期間で開発したため、予期せぬ副作用が出てくる可能性もあり、また効果がどれだけ持続するのかが分からないという課題も残っています。

(「グッド!モーニング」11月11日放送分より)

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