米国“分断”の根深さ 「エコーチェンバー」とは[2020/11/15 22:30]

14日、トランプ大統領の支持者らおよそ1万人が首都ワシントンに集まり、「選挙の不正」などを訴えました。
トランプ支持の白人を中心に、ヨーロッパやアジアからも支持者が集まり、一部では反トランプ派との小競り合いが伝えられました。現地メディアによるとアメリカ大統領選は全ての州の勝敗が明らかになり、獲得する選挙人はバイデン氏が306人、トランプ氏が232人と、バイデン氏の勝利が確実です。

このニュースをどう見るのか、憲法学の立場からビッグデータと社会の在り方を研究する、山本龍彦教授(慶応大)に聞きました。

山本「アメリカにおける政治的な分断の“根深さ”を感じます。政治が感情や憎悪に支配されてしまう、民主主義を信じてきたアメリカで、民主主義の結末を見ているような気持ちにもなります」
「分断の原因は色々あると思いますが、一つに『メディアの環境』があるのだろうと思います。『エコーチェンバー』という言葉がありまして、一定の相手とコミュニケーションをとっていると、『その考え方が正しい』『こんなに仲間がいるんだ』と思い、自分の考えを増幅し“極端化”してしまうという問題です」

▽「エコーチェンバー現象」とは
意見が近い者同士の“閉鎖的なコミュニケーション”で偏った意見が増幅されてしまう状況

山本「日本でも来年選挙があると言われていますし、対岸の火事ではないと思います。『憲法改正の国民投票』もないことはないわけで、現在の“カオスな言論環境”を、日本でも見直していった方がいいと思いますね」

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