「東京の真ん中で人工衛星を」日本橋から宇宙目指す[2020/11/20 14:29]

 日本時間16日朝、野口聡一さんの乗る「クルードラゴン」打ち上げ成功直後、NASA(米航空宇宙局)の長官からこんなコメントが。
 NASA長官:「素晴らしいパートナーである日本にとても感謝している」
 実は、日本はこの先もNASAがイーロン・マスクらと進める2024年の月面着陸計画や火星移住計画でも重要な役割を果たすことが期待されています。

 堀江貴文氏:「海外旅行へ行くかのように、宇宙に行ける時代を」
 日本でも民間で初めて宇宙空間にロケットを送り込んだ堀江さんらのベンチャーはじめ、宇宙開発企業が続々と開業しています。
 この先、宇宙関連ビジネスが160兆円に達するとされるなか、それを狙う新たなベンチャーが集まる“街”を発見。それが日本橋です。
 宇宙飛行士・山崎直子さんが紹介するベンチャー経営者からは頼もしい発言が。
 SpaceBD・永崎将利社長:「ライバルはイーロン・マスクですね」

 今、日本橋に数多くの宇宙ベンチャーが集まっています。その日本橋を案内してくれるのが宇宙飛行士の山崎さんです。2010年にISS(国際宇宙ステーション)で野口さんと一緒に滞在していました。実は今回のミッションも日本橋と深い関わりがあるというのです。
 宇宙飛行士・山崎直子さん:「日本橋はまさに『五街道』の起点ですけれども。象徴的なキリンの像、この上が開けているのは6本目の道が宇宙に通じようとしているからとも考えられます」
 早速“宇宙散歩”のスタートです。すると、開始からわずか5分、日本橋ならではの老舗店も実は宇宙に関係しているといいます。
 約170年続く老舗店から野口さんが宇宙に“あるもの”を持って行ったといいます。お馴染みの味を宇宙でも楽しめるように味付けのりを宇宙食にしました。野口さんは他にも唐揚げやカップ麺、さらにはアジの開きなどの日本食を宇宙に持って行っています。

 山本のり店からわずか1分ほどの場所に実は日本の宇宙開発の本丸、JAXA(宇宙航空研究開発機構)の施設があるといいます。
 「X−NIHONBASHI」はJAXAが宇宙ビジネスの拠点と位置付けるスペースで、日本橋に集まるベンチャー企業と政府機関をつなげています。
 山崎さんは今、宇宙への港「宇宙港」を日本各地に整備する計画を進めていて、実現すれば飛行機型の乗り物などで宇宙に行くことができるようになります。航空機からのロケット打ち上げは早ければ2年後に始まる予定で、大分空港がその最有力候補となっています。
 そして、お隣りの「SpaceBD」はJAXAも業務委託する「日本初の宇宙総合商社」です。ロケットの打ち上げから人工衛星の手配、宇宙飛行士の訓練プログラムの販売まで、いわば宇宙の“何でも屋さん”です。
 偶然通り掛かった社長が熱い思いを語ってくれました。
 SpaceBD・永崎将利社長:「ライバルはイーロン・マスクですね。我々は何かを作るわけではありませんが、同じ土俵にいるといっても過言ではない」

 他にも日本橋には「宇宙への輸送」や「宇宙ごみの削減」などを行う様々なベンチャーが集まっていますが。
 月面探査を目指す企業。今、宇宙開発で最も注目されているのがアメリカ主導の月面探査プロジェクト「アルテミス計画」です。アポロ計画以来、約半世紀ぶりに月面に人類を送り込む計画で、すでに日本の参加も決まっています。
 アバターインでは日本橋のホテルや百貨店などに約100台の遠隔操作できるロボット「アバター」を順次、配備し、アルテミス計画でも必要な探査機やロボットの遠隔操作技術を培っています。すでにISS内にもアバターを設置しています。

 さらに散歩を進めると、今まさに世界が注目するベンチャー企業がありました。「アクセルスペース」は経済紙「フォーブス」で何度も賞を獲得した有望株です。中村友哉代表は東京大学の在学中にビジネスを興し、すでに50億円もの資金を調達しています。
 取材依頼したところ、なんと直接、中村代表から話を聞くことができました。
 アクセルスペース・中村友哉代表:「ネットで何か検索しようと思ったら大体グーグルを使いますよね?ああいうようなポジションを衛星データの世界で取りたいと思っています」
 世界最大の気象情報企業「ウェザーニューズ」と共同開発した人工衛星など4機をすでに打ち上げていて、さらに今後、50機もの衛星を打ち上げる計画だといいます。

 今回、出荷前の人工衛星を特別に独占取材することができました。縦横60センチと超小型にもかかわらず、様々な高性能センサーやレンズを備えています。従来の人工衛星は開発と打ち上げで1機あたり数百億円のコストがかかっていましたが、小型化によって数億円と100分の1程度になりました。
 宇宙機設計・濱田知則グループ長:「小型だから性能が低いということはなくて、小さいなかに高い技術力を入れて小さいほど軽く、数を打ち上げられるというコストメリットがあります。これらが打ち上れば日本初のコンステレーション(衛星群)になります」
 衛星群になることで、世界中どこでも画像を撮影することができるようになります。そうすれば農場でどの作物が収穫時期になっているのか、港の物流の動きなどが手に取るように分かるようになるのです。
 集まったスタッフの経歴は様々です。約3割が外国籍で、枠に捉われない新たなアイデアが日本橋から日々生み出されているのです。

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