仏 時給120円 医療維持のため「学生動員」の陰で[2020/12/05 10:13]

 フランスでは新型コロナウイルスの影響で逼迫(ひっぱく)する医療体制を守るため看護学校の学生も動員されています。その実態を学生の一人が語りました。

 看護学生:「誰にも一度も話せなかった。長い仕事が終わった後に病院を出て自分の車に戻り、30分、1時間1人で泣いたんだ」
 この21歳の学生は第1波がフランスを襲っていた今年春、看護学校の「実習」として病院で10週間働きました。病棟では何人もの患者が新型コロナで亡くなっていくのを見たといいます。
 看護学生:「一番優れた看護師でありたかったし、研修で良い評価をもらいたかった。終わってやっと気付いた。自分が駄目になってしまっているって」
 フランスでは今も医療体制の維持のため看護学生に病院で働くよう呼び掛けています。学生の団体によりますと、第1波の際は85%の学生が参加しましたが、マスクなどが不足し、新型コロナに感染する人も出たほか、一部の人は時給1ユーロ、日本円で120円ほどで働いたということです。
 フランス看護師学校学生連盟、ブルーエン・ラオット会長:「学業を辞める人たちが増えたのは明らかです。本当にうんざりしてしまった。もうこんなことはしたくないと。こんなふうに医療システムに使われたくない」
 学生の団体は政府に対し、精神面での支援や待遇改善を求めています。

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