ワクチンは変異型に効く?海外の最新研究は?[2021/02/07 22:30]

ワクチンは感染力がより高いとされる変異ウイルスに効くのか、海外の研究ではどう考えられているのでしょうか?アメリカの国立研究機関の研究員で、ウイルス学・免疫学が専門の峰宗太郎医師に聞きます。

Q:イギリス型の変異ウイルスは「感染力が高い」、南アフリカ型は「毒性が強い」とも言われていますが、海外の研究ではどうとらえられていますか
峰:イギリスで見つかった変異ウイルスは伝播性(感染しやすさ)が上昇している可能性は言われています。南アフリカ、ブラジルで見つかった変異ウイルスは免疫から逃げる、簡単に言うとワクチンの効果が下がってしまうのではないか、ということが研究ベースでもわかってきていて懸念されています。

Q:感染力が高くなるというのは、例えば飛沫の量が少なくてもうつるとか、そういったことなのでしょうか
峰:直接的な証拠はないが、例えば飛沫の中に含まれているウイルスの量が増えているようだ、という研究結果は出ています。変異ウイルスであってもとるべき対策は同じです。感染ルートを遮断すること、予防策は変わらないのです。

Q:ワクチンの副反応、心配の種として「アナフィラキシーショック」という言葉をよく聞くが、そもそもどういうものですか
峰:アナフィラキシーというのは激しい免疫の反応、いわゆるアレルギーの一つであると考えてもらって良いですが、外から体の中に入ってきた異物に対して、急激に過剰な免疫反応が起こり生じる様々な症状のことをいいます。全身の皮膚にじん麻疹のような発疹が出てきたり、息が苦しくなったり、お腹が痛くなったり。重い場合には血圧が下がってショックといわれる状態になることもあります。
しかし、頻度としてはそれほど多くはなく、適切な対処をすれば対応できるということで大きく恐れすぎる必要はないというのが現状です。
(アナフィラキシーの発生率は)ファイザー社のコロナワクチンで100万人あたり5人、モデルナ社のワクチンで2.8人。インフルエンザワクチンは1.4人程度と言われています。

Q:ワクチンは変異ウイルスにも効くのでしょうか
峰:今のところイギリスで見つかった変異ウイルスについてはワクチンの効果は特に落ちないようだということがわかっています。
しかし、南アフリカとブラジルで見つかった変異ウイルスに関しては、ある程度効果が下がってしまうということがわかってきています。ですから、今後も変異ウイルスの状態を観察していき、ワクチンがしっかり効くのか、検討を続けていくのが何より重要です。

こちらも読まれています