北朝鮮サイバー攻撃の実態 暗号資産を“マネロン”[2021/03/06 16:18]

 新型コロナウイルスの影響で国境を封鎖した北朝鮮。厳しい経済事情が報じられる一方、サイバー攻撃などで不正に外貨を稼いでいる実態が明らかになりました。

 これは、アメリカ人のハッカーの男がおととし、平壌に渡航した際に発行されたビザです。

 約100人を前に暗号資産を使ったマネーロンダリングについて講演したとみられています。

 国連の制裁を逃れるため取引の匿名性が高いブロックチェーンの技術などを利用するよう指南した疑いもあるとしてアメリカ当局に起訴され、有罪となれば最長で禁錮20年が言い渡されます。

 北朝鮮の制裁違反を調べる専門家パネルは今月5日、国連安保理に最終報告書を提出しました。

 北朝鮮は、おととしから去年にかけて暗号資産の取引所から少なくとも3億1640万ドル、日本円で約340億円相当を盗んだとみられています。

 無名の暗号資産を入手した後、中国にいるブローカーが、ビットコインなどに変えてマネーロンダリングをしているとも報告書は指摘しています。

 司法省、ジョン・デマーズ次官補:「北朝鮮の工作員は銃ではなくキーボードを使い、現金袋ではなく暗号資産の“デジタルウォレット”を盗んでいる。世界の主要な銀行強盗だ」

 先月、北朝鮮のハッカー3人が世界各地の銀行や企業から13億ドル、日本円で約1400億円以上を盗もうとしたとして起訴されました。

 国連外交筋によりますと、北朝鮮のハッカーは6000人以上の集団で、その多くが海外から犯行に及んでいるとみられています。

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