“DVから女性守る”イスタンブール条約…トルコ離脱[2021/03/21 23:13]

 トルコのエルドアン政権は、女性を家庭内暴力から守ることを目的とした国際協定からの離脱を決定しました。

 トルコ政府は20日、「イスタンブール条約」と呼ばれる女性に対する家庭内暴力などを防ぐことを目的とした国際協定から離脱することを決めたと発表しました。

 この条約は欧州評議会が主導し、2011年にトルコのイスタンブールで署名され、トルコは翌年、批准していました。

 離脱の理由は明らかにされていませんが、オクタイ副大統領は「伝統的な社会構造を維持することで女性の尊厳を守ることができる」とツイッターで述べています。

 この離脱発表を受けてイスタンブール市内では、大勢の女性が抗議の意味を示す紫の旗を持って集まり、デモを行いました。

 またヨーロッパ諸国からは反対の声が上がっており、ドイツ政府は「女性への暴力を無視するための言い訳になる」と批判しています。

 ロイター通信によりますと、人権団体が集計したトルコでの家庭内暴力の死者は過去10年間に3倍に増え、今年は78人の女性が死亡しているということです。

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