ミャンマー軍事政権の狙いは きのう最多114人死亡[2021/03/28 17:13]

 弾圧が続くミャンマーでは27日、「国軍記念日」あたり軍事パレードが盛大に執り行われましたが、これに抗議する市民への治安部隊による銃撃で、一日の死者の数としては最悪となる114人が死亡しました。

 ミャンマーの最新映像などをご覧頂きながらミャンマー情勢をお伝えします。

 ミャンマー各地では27日、国軍への抗議デモに対する治安部隊の銃撃が相次ぎ、地元メディアによりますと、デモ参加者ら114人が死亡したということです。

 一日の死者としてはクーデター後、最悪となりました。

 第2の都市マンダレーでは、クーデター以降、最年少の犠牲者とみられる5歳の男の子が銃撃で死亡したほか、最大都市ヤンゴンでは1歳の赤ちゃんが目にゴム弾を受けて大けがをするなど、複数の子どもにも危害が加えられています。

 28日も各地でデモが行われているとみられ、治安部隊によるさらなる弾圧が懸念されています。

 ミャンマーでは27日「国軍記念日」を迎え、朝から軍事パレードが行われました。

 首都ネピドーでは早朝に軍事パレードが始まり、ミサイルなどが披露されました。

 また、ミン・アウン・フライン最高司令官は演説で軍の行動の正当性を訴えました。

 一方、市民らは抵抗する意思を示そうと、記念日に合わせて各地で抗議デモを呼び掛けていました。

 映像は、タイで開かれていた「ミス・グランド・インターナショナル」の決勝大会の様子です。

 アメリカの代表が優勝し、日本の代表はベスト・ナショナル・コスチューム賞を受賞しましたが、会場ではミャンマー情勢を伝える映像が流されました。

 大会のスローガンは、「戦争を止めよう」ということで、ミャンマー代表が特別スピーチを行う場面もありました。

 ミャンマーの人権団体「政治犯支援協会」によりますと、27日までに、弾圧で423人が殺害されたということです。

 軍事クーデターの後、日本やアメリカは非難の声を上げ、解放するよう求めています。

 また、国連の安全保障理事会やノルウェーのノーベル賞委員会も軍事クーデターを非難したうえで、平和賞受賞者のアウン・サン・スー・チー氏らの解放を求めています。

 ここからはクーデターの経緯を説明します。ミャンマー国軍がクーデターを実行したのは、2月1日です。

 ミャンマーでは去年11月の総選挙を受け、初めてとなる国会が2月1日から招集される予定でした。

 総選挙では、スー・チー氏が党首を務めるNLD(国民民主連盟)が大勝しましたが、国軍側は選挙に不正があったと批判し、クーデターを実行しました。

 地元メディアによりますと、軍の関係者がスー・チー氏の自宅に向い、スー・チー氏を拘束したということです。その後、スー・チー氏はしばらくは自宅軟禁となっていましたが、当局により移送され。現在、スー・チー氏がどこにいるのかは明らかになっていません。

 2月の軍と市民らの衝突では、携帯電話などからインターネットが使えなくなり、SNSで情報を見たり発信することもできなくなりました。国軍側が抗議の動きを抑え込む狙いがあったとみられています。

 この点に関して今回の衝突では、こうした情報統制があったかは詳しい情報は入ってきていません。

 弾圧が続くミャンマーでは27日、「国軍記念日」にあたり軍事パレードが盛大に執り行われました。しかし、これに抗議する市民への治安部隊による銃撃で、一日の死者の数としては最悪となる114人が死亡しました。

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