新星オリヴィア・ロドリゴ 日本初インタビュー[2021/05/27 23:30]

今年1月に発売したデビュー曲『drivers license』で8週連続ビルボード1位になるなど、数々の記録を塗り替え、一躍時の人となった高校生シンガー・ソングライター、オリヴィア・ロドリゴさん(18)。世界中の人々を魅了する曲は“新型コロナの時代”だからこそ生まれた作品だったといいます。日本メディア初のインタビューです。

本人が作詞作曲を手掛けた『drivers license』は、せっかく運転免許証を取ったのに、助手席にいるはずだった人は、すでに別の女性の所に行ってしまって、思い出の場所や元彼の家の前を1人泣きながら車で巡っているという歌です。

どうしたらこんな世界観が思い浮かぶのでしょうか。

(Q.あなたの歌には人柄があふれている気がして、とても優しくて他の人の気持ちが分かる女性だと思いました。歌にあなたの性格は投影されていますか?)

オリヴィア・ロドリゴさん:「『drivers license』は私の脆弱(ぜいじゃく)でリアルな部分なんです。歌詞からでも分かることなのですが、私自身はすごくセンシティブで、感情的な人間なんです。内向的だし、一人でいるのが好きです。自分では、思いやりがあって、人を癒せる人間でいたいですけど。

色んなことについて書きます。アルバムは私の人生の断片で作っています。失恋や成長するなかでの不安とか、変化に富んだ人生だから、一つ書いたら『はい、次』って、次に何について書くか考えるわ。

歌詞を書くっていうのは、ある程度ドラマチックなことだと思います。私の生活をそのまま説明していては、歌はすごくつまらないものになるし。だからイマジネーションを使わなきゃいけないんです。経験から曲を書くのも好きだけど、レコードの中の曲のいくつかは、細かな描写もあって、作り話だったり、私自身が友人や周りの人から聞いた話だったり、歌を作るときには、色んな物語から引用します」


この曲は今の時代だからこそ、生まれたものでした。

オリヴィア・ロドリゴさん:「本当にコロナは世界中の人々にとって大変なことだったけど、ロックダウンが私にとってラッキーだったのは、クリエーティブな発想があふれ出たことです。それが捜索活動につながりました。家に閉じこもっている間に、すべてのことが起きた感じです。本当に信じがたいことですけど。

見当もつかないけど、たぶん200とかそのくらい?すごくたくさん書きました。ロックダウンが始まって5〜6カ月は毎日1曲は書きました。ひたすら書きました。ひどい曲もありましたけどね。私は書くのが好きなんです。うまいかどうかは別にして、数だけはたくさん書きます。

この自主隔離の期間、人々は少し寂しい気持ちで過ごしていたから、こうやって一緒に泣ける歌が必要だったのかもしれませんね。あの時にこういう歌が書けたことは、すごくクールだと思っています」

(Q.将来的にどんなアーティストになりたいですか?理想のイメージがありますか?)

オリヴィア・ロドリゴさん:「ずっと正直でありながら、歌を書き続けたいです。そうしているうちに、大人になるにつれ、ソングライターとして上達するかもしれないし。私は人のために歌を作ることも、すごくやりたいことなんです。これは、ずっと私の夢だったから、そういうアーティストになるかもしれません」


オリヴィア・ロドリゴさんの曲は、TikTokで使われる曲の上位にランクインするなど、10代を中心としたSNS時代の象徴的存在になっています。

10億回も再生されるほどバズッた理由の一つを、専門家はこのように分析しています。

Spotify Japanコンテンツ部門統括・芦澤紀子さん:「全世界的な傾向で、日本においてもコロナ禍に入ってから共感を呼んだ曲って、明るく楽しくハッピーな楽曲というよりは、歌詞の内容が心に響いてくるような曲が多い。一人、車を運転しながら、失恋の感傷に浸るという設定が、コロナ禍において、時代の閉塞感とか孤独感とものすごく共鳴しあった」

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