いよいよ選手団来日へ 豪代表「要請はすべて守る」[2021/05/30 22:30]

あさって(6月1日)、東京オリンピックに向けて海外から初めて代表選手団が来日します。事前合宿を中止する国が相次ぐ中、このタイミングでの来日を選手はどう思っているのでしょうか。

▽選手団“滞在ホテル”では準備が佳境に
来日に向け練習を重ねてきた、オーストラリアの女子ソフトボールチーム。監督やコーチを含めた約30人の選手団全員がすでにワクチン接種を終えています。

佐々木一真アナウンサー
「群馬県太田市の市民球場です。来日した選手団の行動範囲は練習場所となっている球場と、滞在するホテルだけに制限されます」
選手団が宿泊するホテルでは受け入れに向け、準備が佳境を迎えています。そこに午後1時半過ぎ…
佐々木アナ「選手団の来日が間近に迫っているということで、ホテルの受け入れ態勢についていま国や市の職員らによる視察が行われています」

内閣官房の職員「お料理はどこから出てくるんですか?こっち?」
十分な感染対策が取られているか、入念に最終確認が行われます。

ホテルマネージャー
「4名様が(一つのテーブルに座る)この状態でやらせてもらえればと」
内閣官房の職員
「食堂のスタッフの方が常時いる?」
ホテルマネージャー
「1人から2人は必ずいるような形で」
 
選手たちの移動を練習場とホテルに限る「バブル方式」。泡の中から出ないことで一般人など外部との接触を遮断し、感染の拡大を防ぎます。しかし、地元では不安の声も…
「太田市って群馬の中では感染してる地域なので余計それが広がらないか心配ですね」
「ボランティアの方とかも全然(ワクチンを)打ててないような状況で迎え入れて大丈夫なのかなって」

▽来日する選手の心境は
日本でオリンピック開催への懸念が広がる中で、来日する選手団。今、どのような心境なのでしょうか。ピッチャーのエレン・ロバーツ選手に話を聞くことができました。

女子ソフトボール オーストラリア代表 エレン・ロバーツ選手(29)
「私たち代表選手が日本に行くことで不安になったり、反対意見を持つ日本人の気持ちはわかります」
「日本側の要請はすべて守るつもりです」「最も重要なのは日本人の健康です。私たちは日本人を危険にさらすことは絶対にしたくない」

エレン選手の持ち味は、身長176センチの右腕から繰り出される豪速球。2014年の世界選手権では主力としてチームを銅メダルに導きました。
エレン選手
「ちょっと日本語わかります。上手じゃない(日本語)」
「I LOVE JAPAN大好き!なぜなら(日本語)みんな本当に優しくて勤勉です」

実はエレン選手、3年前から岐阜県のソフトボールクラブに所属しエースとして活躍してきました。
エレン選手「いつも日本のスイーツが恋しくなります。日本には美味しいデザートがたくさんあるから」
コンビニのスイーツが大好きだというエレン選手。
滞在するホテルのすぐそばにコンビニがありますが、外出が禁止されているため行くことができません。
エレン選手「昆布おにぎり大好き!たまごサンドイッチも(日本語)」
Q.好きな食べ物が食べらなくてつらい?
「日本にいられることがうれしいから我慢できます」

彼女たちが滞在するホテルでは客室がある8階9階と、ミーティングルーム(食事会場)がある3階の3フロアを貸し切りにして、一般客と接触しないように動線を確保しています。

佐々木アナ「選手団はバスで到着した後、一般の宿泊客利用しないこの専用の入り口を通ってホテルに入っていきます。その後、貸し切りになっている3階までこの階段を使って移動します」
「3階に到着しました。このようにロープが張られています。この内側が選手専用フロアということです。練習から戻りますと選手はまずこの部屋に進みまして、毎日PCR検査を受けるということです」

エレン選手
Q階段を使うのは大変では?
「いいえ、階段は良い運動になります。滞在中は日本の対策に従うので心配しないでください」

▽選手団の対策は
選手たちはこちらの部屋に、約50日間滞在します。練習以外は外に出られないため体調管理が課題で、オーストラリアのソフトボール連盟はこれまでにない対策をしています。

オーストラリア ソフトボール連盟 デビッド・プライルスCEO
「通常よりも多くのサポートスタッフを連れていきます。ドクターを海外に2人連れて行くのは初めてです。メンタルサポートの専門家も同行します」
現在でも1日3500人以上の新規感染者が出ている日本。一方オーストラリアは徹底した水際対策でほぼ抑え込んでいます。
日本ではオリンピックに海外選手団が集まることが不安視されていますが、感染を抑え込んでいる国の選手たちは日本に来ることで感染のリスクにさらされることになります。

太田ナウリゾートホテル 葛生直樹マネージャー
Q.ホテル側として一番懸念しているところは?
「選手に新型コロナウイルスを感染させないというところが一番になってくると思います」
「選手はワクチンも2回接種されているし、ちゃんと日本に来る前にしっかりと検査も受けていると思うので」

オーストラリアは事前合宿を決断しましたが、他の国からは中止するとの連絡が相次いでいて、21日時点で全国43の自治体に及んでいます。(内閣官房)

オーストラリアと同様に感染拡大を抑え込んでいるニュージーランドでは政府の顧問が24日こんな発言を…

ニュージーランド保健省顧問(オタゴ大学) マイケル・ベーカー教授
「今の時点で五輪を開催するのは馬鹿げている。日本モデルの緩い措置で抑制できると考えるのは代償が大きいギャンブルだ」

現地メディアによれば、オリンピック代表チームの医師の一部が、コロナへの懸念からチームを離脱しています。
それでも、3年間日本で暮らしてきたエレン選手は…

エレン選手 
Q.日本に来るのは怖くない?
「怖さはありません。日本人はきちんと準備をする人々だからです」
「日本の感染症対策を信頼しているし、オーストラリアチームの健康管理も信頼しています」
「滞在中は安全に気をつけ、最終的に日本の方が私たちの滞在を誇りに思ってもらえれば」

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