バイデン大統領「ロシアの今後の動きを注視」[2021/06/17 06:39]
ロシアのプーチン大統領との首脳会談についてバイデン大統領は前向きに評価する一方、ロシア側の行動を注視していく考えを示すなどプーチン大統領に対する警戒感をあらわにしました。
バイデン大統領:「会談は4時間続いたが雰囲気は良く、明るかった」
そのうえで、今後、サイバー問題や核軍縮に関する実務者の協議に入ることで合意したと明らかにしました。
会談ではイランの核開発問題やウクライナ問題、アフガニスタン問題などのほかに人権問題も取り上げられました。
バイデン大統領は「ロシアが国際ルールさえ守るのであれば一緒に仕事をするのは構わない。だが、そうでなければどこの国も一緒にはやれない」と指摘しました。
特にロシア政府による反体制派の弾圧については「基本的人権はアメリカのDNAだ。今後も提起し続ける」と強調しました。
ただ、プーチン大統領は会談後の会見で改めて人権問題について譲歩しない姿勢を見せ、サイバー攻撃についても関与を否定するなど溝は埋まっていません。
バイデン政権はロシア政府による相次ぐサイバー攻撃やロシアを拠点とする犯罪集団によるランサムウェアがアメリカの重要インフラを阻害しているとして特に問題視していて、バイデン大統領は16のインフラ分野を挙げて重要インフラへのサイバー攻撃をやめるよう強く求めました。
そのうえで、会見では「アメリカには強力なサイバー攻撃能力がある。ロシアがルールに従わないのであればサイバー攻撃に対抗措置を取る」とロシア側を牽制(けんせい)しました。
また、「プーチン大統領を信頼できるか」と記者に問われると「信頼の問題ではない。国益に沿って相手の行動を検証していくだけだ」と述べ、今後のロシア側の行動を注視していく考えを示しました。