天才哲学者マルクス・ガブリエルが語る未来と倫理[2021/07/14 23:30]

新型コロナの感染拡大が続くなか、ドイツの若き天才哲学者、マルクス・ガブリエル教授(41)の「倫理が世界を立て直す」という提言が注目され、著書は世界的なベストセラーとなっています。

数々の巨大IT企業などで倫理的に経営をアドバイスするガブリエル教授は、異色の経歴を誇る『哲学界のロックスター』とも呼ばれています。

そんなガブリエル教授は、コロナをきっかけに倫理や道徳が世界の価値観の中心となる時代が来ると語ります。

コロナ後の未来をどう生きるのか。ガブリエル教授に話を聞きました。

ガブリエル教授:「コロナ前の日常に戻りたいというのは間違いです。コロナ前の世界は良くないものです。私たちは過剰な競争により地球を破壊しました。今、経済を再構築する必要があります。(Q.コロナウイルスに関してはどう捉えていますか?)例えばコロナ危機の今、裕福な人たちほど、より稼いでいます。彼らは得た利益をコロナで苦しむ国々や子どもたちに分け与えるべきです。皆の幸せを優先することで、経済成長は緩やかになりますが、今とは違った方法でお金を稼ぐことができるのです。私はこれを倫理資本主義と呼び、アフターコロナの産物になると思います」

「環境破壊や貧困は、グローバル経済が利益を追求し過ぎた結果だ」と断じるガブリエル教授。コロナをきっかけに倫理や道徳が世界の価値観の中心になると語ります。

ガブリエル教授:「コロナによって、私たちは倫理的な決断を日々行わなければならなくなりました。オリンピックを開催するべきか、祖父母に会って良いのかなどです。これらは倫理的な問いです。でも今の政府や企業はそれに答えられていません。倫理のエキスパートがいないからです。税金の問題があるのに税理士がいないようなものです」

「コロナ禍において、これまでの価値観では判断できない事象が増えた」と語るガブリエル教授。だからこそ、企業では『倫理課』、政府には『倫理省』など、専門組織を持つことで経済成長し続けられるといいます。

ガブリエル教授:「(Q.倫理的・道徳的な価値と同時に経済的な価値を上げることはできるのでしょうか?)もちろんです。それこそがサステイナビリティーなのです。もし10年など短期的な急成長ではなく、数十年生き残る会社にしたいなら持続可能性が必要です。持続可能性こそが結果的に利益を生み出すのです。倫理と経済は相反するものではありません。それはあしき作り話なのです」

実際に、環境や社会問題に取り組む企業への投資は年々増加していて、その額は3000兆円に及びます。

ガブリエル教授:「皆が聖人になる必要はなく、制度の一部を変えれば良いのです。問題は50年後か100年後かということです。スタートが遅くなるほど、環境や人間への被害が大きくなります。だから私たちは今、始めるべきなのです」

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