アフガン出身の難民パラ選手「難民に希望届けたい」[2021/08/23 19:50]
いよいよ24日、東京パラリンピックが開幕します。アフガニスタン出身で今大会に難民選手団として出場する水泳選手がテレビ朝日の取材に応じ、「1200万人いる障害を持つ難民に希望のメッセージを送りたい」と語りました。
パラリンピック出場を前に思いを語るのはアッバス・カリミ選手(24)。
イスラム主義勢力「タリバン」の進攻で混乱が続くアフガニスタンの首都カブール出身です。
生まれつき両腕がありませんでした。
腕がないことで子どものころはいじめられていて、「とてもつらかった」と語るカリミ選手。
そんなカリミ選手を救ったのが水泳でした。
練習を重ねて国内大会で優勝を果たすも、生まれた時から戦争が続いていたアフガニスタンでの生活に不安を感じていました。
そして16歳の時に、ついに国を離れることを決意します。
苦難を経てトルコに入り、難民キャンプで4年を過ごしました。
トルコではカリミ選手自らコーチや練習場所を探し、苦労しながらも練習を続けました。
転機が訪れたのは2015年。カリミ選手の水泳の動画を見たアメリカ人の男性が国連を通じて、難民としてアメリカへの移住を勧めたことでした。
オレゴン州に移住後、良いコーチらとも巡り合い、2017年には見事、世界パラ水泳選手権大会で銀メダルを獲得しました。
カリミ選手は「パラリンピックのために長い間、準備してきた。用意はできている」と力強く意気込みを語ります。
ただ、アフガニスタンの現状については「話せない」と複雑な心境の一面も見せました。
24日から始まるパラリンピック。カリミ選手は27日の50メートルバタフライと30日の50メートル背泳ぎに出場する予定です。