ドバイ万博“2500万人有観客”実現へ独自戦略[2021/10/03 22:30]

世界中から2500万人の来場を見込んで開幕したドバイ万博。独自のルールで観光と感染対策を両立する現地を取材しました。

▽「ドバイ万博」威信かけ有観客開催
(伊従啓リポーター)
「ドバイの国際空港に到着しました。PCR検査を受けるんですけど、30分ほどで終わって非常にスムーズに通過することができました」
ワクチン接種を条件にすべての国からの観光客を受け入れているUAE・アラブ首長国連邦。
オリンピックに次ぐ世界最大規模の国際イベント・ドバイ万博には192の国と地域が参加します。
ドバイ政府はおよそ7800億円を投じるなど威信をかけて臨んでいます。

「こちらがドバイ万博の会場になります。中東の歴史上最大のイベントにするということで約2500万人の来場が見込まれています」
東京オリンピックでもかなわなかった“完全な有観客での開催”を実現させたドバイ万博。
会場への入場はワクチンの接種証明か、72時間以内のPCR検査の陰性証明の提示が必要になります。
有観客開催を可能にしたのは世界トップレベルのワクチン接種率。1回以上の接種を受けた割合は実に94%に及んでいます。今年初めには一日4000人近くの感染者が出ていましたが、ワクチンの効果か、最近では減少傾向が続いています。
各国のパビリオンの中でもひときわ長い行列ができていた「日本館」。中に入ってみると…
最新技術を駆使したプロジェクションマッピングなどで日本の自然や伝統文化、アニメなどを紹介します。
さらにこちらの展示では…
温暖化など世界が直面する課題への対応も呼びかけています。
(イタリアからの観光客)「個人的な感想では日本館はトップクラスだと思います。入った瞬間に日本に旅行したかのような疑似体験ができました」

新型コロナの影響で大打撃を受けた観光都市ドバイ。
来年3月末までの万博に多くの外国人観光客を呼び込むことで経済回復につなげたい考えです。
(ドバイ万博 広報副主任)「中には複数回来場を希望する方もいらっしゃるでしょう。万博は6カ月間開催しているので、期間中ずっとみなさんに楽しんでいただけます」
会場には、世界各地からたくさんの観光客が来ていました。
Q.なぜドバイに?
(スイスからの観光客)「当初は他の国の“ディズニー”に行こうと考えていたんですが無理でした。私はワクチン接種済みで、出発時に検査も受けたので安全でしょう」
(フランスからの観光客)「新婚旅行もかねて来ました」
Q.感染対策については安心?
「とても安心だと思います」

(伊従啓リポーター) 「“眠らない街ドバイ”といわれてますが、このように午後10時を過ぎても、非常に大勢の人がこのショッピングモールを訪れています」
実は、ドバイでは去年夏から外国人観光客の受け入れを再開していて今年はすでに285万人に達しています。ワクチン接種と並ぶコロナ対策の柱は“厳格なルール”です。
(伊従啓リポーター)「ほとんどの人がこうやってマスクをしているんですね。ほぼ100%マスクをつけているというのがこのドバイの特徴です」
公共の場所などでマスクをつけなかった場合の罰金は約9万円。スマホに追跡アプリを登録しなかった場合は約30万円、
コロナに関する誤ったニュースや噂を流した場合は約60万円もの罰金が科されます。
(オランダからの観光客)「マスクを常に着用することに、驚くほどすっかり慣れてしまいました」
Q.オランダではマスクは着用しない?
「今はもう着用していません。もう着用義務がないので」

▽砂漠に浮かぶ“熱気球”海外客満喫
午前5時、薄暗闇の砂漠では…
アメリカやイギリス、ドイツなどからの観光客が“熱気球”に乗り込みます。
パイロットは日本人の執行義孝さんです。

(バルーンアドベンチャーズ 執行義孝チーフパイロット)「行ってきます。多分明日には帰ります。無事に浮いています、今のところは」
砂漠で朝日を見るサンライズツアー。
ゴンドラはツアーのたびに念入りに消毒され、感染防止のため透明のビニールシートも貼られています。
「ちなみに高い場所が苦手な方はいますか?もう遅いですね、失礼しました」
「素晴らしい朝焼けですね。まあ毎朝見ているんですけどね」

実はドバイでは、政府が「ドバイ・アシュアード」という認証制度を設けていて、厳格な感染対策を施さないと営業できません。
検査員が2週間ごとにチェックを行っているといいます。
「いかがでしたか?」
「ご自由に水をとってください。以前はこちらから渡していましたが、(感染対策のため)ご自身でお取りください」
「ワクチン接種」と「厳格なルール」の両輪で復活の狼煙を上げた観光都市ドバイ。
(バルーンアドベンチャーズ 執行義孝チーフパイロット)「ヨーロッパからのお客様とか『どうしてドバイを選んだのか』と聞いたら『ほかに行くところがない』『どこに行けるかグーグルで検索したらドバイって出てきたから来ました』。(ドバイは)とにかくやるんだという姿勢が強くて、これがあればこの書類があればドバイに入国できますと(ルールを)わかりやすく提示して、観光客の皆さんをうまく呼び込めたんだと思います。」


10月3日『サンデーステーション』より

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