キムチ作りで200人感染“過去最悪”韓国緊急取材[2021/11/28 22:30]

ワクチン接種率で日本を上回る韓国では、再び教会で集団感染が発生するなど過去最悪の感染拡大が続いています。日韓の明暗を分けた背景には何があるのでしょうか。

▽教会でも…過去最悪の感染拡大
ソウルから車で約2時間。400人ほどが暮らすこちらの山あいの集落で、大規模な“集団感染”が発生しました。

(良永晋也記者)「この集落の一番奥に堂々たる建物ですね、教会がみえます。4階建て、5階建てでしょうかね。かなり立派な建物がたっています。あちらに通っている信者たちが集団感染を起こしたということなんですね」
現地の報道によると、教会の周辺で集団生活を送る信者など関係者200人以上が感染。その原因とみられているのが…
キムチです。今月中旬、集団でキムチづくりをしていて一気に感染が広がったのだといいます。
(良永晋也記者)「そしてカメラさん撮れますかね。あちらに横断幕がありますね。コロナの予防ルールを守り、家族、教会、国を守りましょうと書いています。ただ実際にはワクチンを打っていない状態でキムチ作りなどを集団で行って感染が広がってしまったということが報道されています」
(周辺住民)「(信者が)『コロナにかかって死ぬよりも予防接種の副反応で死ぬ人の方が多い』
『予防接種しないで(コロナに)かかって死ぬ方がましだ』と言っていた。昼夜問わず大声を上げながら礼拝するんだ。礼拝は静かにするものだろ」

感染確認から5日、敷地内には臨時の検査場が設けられ、検査を受ける人が列を作りました。
「今ですね、信者と見られる女性ですかね。2人やってきましてバスに乗せられていきます。バスの関係者によると、感染者を移送する作業をしているということで、こうして発覚した後も現在進行形でこういう状況が進んでいるということなんですね」
過去最悪の感染拡大が続いている韓国。水曜日の発表では最多となる4116人を記録しています。
このうち多くを占めるのが…
クリスマス・イルミネーションが煌めく首都ソウルです。
金曜の夜、ソウルの飲み屋街はご覧の人込みです。コロナ前の賑わいをすっかり取り戻したようです。
過去最悪の感染状況なのですが…どの店をのぞいても、客でいっぱい。外に行列ができている店もあります。
「ちょっと怖いけれど約2年ぶりの解除だから、少しは遊んでも良いかなと思います」

日本とほぼ同時期にワクチン接種を始め、日本を上回る接種率に達した韓国。
今月1日から始まった“ウィズコロナ政策”によって、飲食店は営業時間が24時間に。私的な集まりは10人以下に緩和され、忘年会を開いている人も多いそうです。そのためなのか、ウィズコロナが始まった今月1日以降、新規感染者が急増。
28日に発表された重症患者は647人、死者は56人で、いずれも過去最多を記録しています。
こうした状況に韓国の専門家は…

(韓国ワクチン学会 マ・サンヒョク副会長)
「(ウィズコロナは)結果的には時期尚早だったと思います。韓国政府は接種率が70%に達したら集団免疫ができて感染者や重症者が増えないと予想し、ウィズコロナ政策を進めました。実際には“ブレークスルー感染”が出始めていたのに、それを軽視したことが現在の混乱につながったのです」
今、韓国で増えているのはワクチンを2回接種したのに感染する、いわゆる“ブレークスルー感染”。
特に重症化リスクの高い60歳以上では85%がブレークスルー感染だったといいます。
そのため韓国政府は“3回目接種の前倒し”を表明。60歳以上は接種完了から「6カ月後」でしたが「4カ月後」になりました。
接種を急ぐ背景の1つには、ウイルスの増殖を防ぐ“抗体”に関する、ある分析結果があります。
保健当局が示した「ワクチン別抗体価分析」によると、デルタ株に対して、接種開始初期に主に使用されたアストラゼネカ製は、接種直後207だった抗体の値が“3カ月”で半分以下の98に…
最も接種者が多いファイザー製も、接種直後338だった抗体が“5カ月”で約半分の168になっています。
日本の3回目接種はクラスターが起きた場合などを除き、原則「8カ月以上」としていますが…

(韓国ワクチン学会 マ・サンヒョク副会長)
「私は個人的に、日本などは高齢者が多いので接種間隔8カ月は長すぎると思います。韓国で感染者が急増した理由は何なのか、その原因を究明して情報を活用し、日本もまた感染者が急減した理由は何なのかを分析し、互いに工夫して全世界がコロナに立ち向かう知恵を共有するべきです」


11月28日『サンデーステーション』より

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